初心者でもわかる!リードナーチャリング実施の流れを徹底解説
リードナーチャリングはしっかり計画を立てて着実に実行していけばそんなに難しいものではありません。当記事ではこのリードナーチャリングを誰でも実行できるようにリードナーチャリングの計画の立て方と実行の際のポイントをご説明します。
この記事の目次
展示会、セミナーで名刺をもらったお客さんにメールや電話で商談のアポイントメントをとるようにしているが断られることが多い。
これが意味するのは、そのお客さんは自社商品への関心がそこまで高くないということです。当然ながらそのようなお客さんにいきなり商談を持ちかけても断られてしまうことでしょう。
断られないためにも、まず貴社がすべきことは商談に応じてもらえるようにお客さんの自社商品への関心を高めることです。そこで「リードナーチャリング」の出番です。マーケティング担当者の方なら一度はこのリードナーチャリングという言葉を聞いたことがあると思います。
リードナーチャリングと聞くとなんだか難しそうに思いますよね。リードナーチャリングは英語で、日本語に訳すとリード(見込み客)をナーチャリング(育成)することです。見込み客に対してメールマガジンを配信したり有益なコンテンツを提供したりして見込み客の自社商品への関心を高めて見込み客を有望な顧客に育成します。
リードナーチャリングはしっかり計画を立てて着実に実行していけばそんなに難しいものではありません。当記事ではこのリードナーチャリングを誰でも実行できるようにリードナーチャリングの計画の立て方と実行の際のポイントをご説明します。
ステップ1.ターゲットを設定
前述したようにリードナーチャリングは見込み客の自社商品への関心を高めて見込み客を有望な顧客にすることです。見込み客が商談に応じる、営業に引き渡すことができる状態を目指します。
まずは、リードナーチャリングの対象にするターゲットを設定することから始めます。このターゲットの設定によってリードナーチャリングをより効果的なものとすることができるのです。ターゲットを設定することで見込み客がどのような購買行動をとるのか具体的にすることができます。
ターゲットの設定にはターゲットとなる人物像を具体的に想定する個人ペルソナを作ることが有効です。BtoBの場合は個人ペルソナだけでなく、企業全体の組織ペルソナも作りましょう。
組織ペルソナ
組織ペルソナを作る際には以下の項目を参考にしてみましょう。
基本情報
業界の特徴、企業の規模、企業の売上・利益、企業の所在場所
企業の特性
企業の強み、弱み
企業が目指している目標、現状の課題
個人ペルソナ
ターゲットにする企業の「購買を担当する担当者」の個人ペルソナを作ります。
個人ペルソナを作る際には以下の項目を参考にしてみましょう。
基本情報
所属部門、役職など
属性
性別、性格、年齢など
業務内容
個人が目指している目標、現状の課題
ステップ2.見込み客の購買行動の想定
先に作った組織ペルソナ、個人ペルソナをもとにして、彼らがどのような購買行動を取るのか想定します。
課題の認識フェーズ
基本的に企業が商品を購買するのは、当たり前のことではありますが、その企業が解決したい課題があるためです。たとえばマーケティングオートメーションの導入を検討しているネジの製造企業Aがあるとします。企業Aは現状のマーケティングが非効率的で効果があまり出ていないという課題を認識していると考えられます。また、個人ペルソナが課題を認識して購買行動をとります。
「購買を担当する担当者」
* 社内の意見を取りまとめる
* 展示会・セミナー出席、インターネットなどで課題を解決するための商品を探す
* 予算の確定
業者の選択フェーズ
企業は課題を認識し、その課題を解決するために動き始めます。課題を解決するために最も適した商品を販売している業者はどれか比較・検討します。
「購買を担当する担当者」
* 業者のWebサイトの商品の詳細ページを、時間をかけて閲覧
* 収集した情報、社内の意見から自社が商品に求める優先事項を決定
* 商品を提供している業者リストを作成
* リストで優先事項を満たしている業者を比較して絞り込む
* 業者に商談の問い合わせ
購買フェーズ
絞り込んだ業者と商談を行い、どの業者の商品を購入するのか最終決定を下します。
「購買を担当する担当者」
* 商品に対して自社が求める優先事項を満たしているか、価格は妥当か、最終確認のために業者と商談
* 商品のデモンストレーションを実施して社内の意見を汲んだうえで業者を比較
* 業者を最終決定
ステップ3.スコアリング
ペルソナを作ることで見込み客が取ると想定される具体的な購買行動が明らかにできました。次なるステップはスコアリングです。見込み客の購買行動と属性をスコアリングの対象にします。このスコアリングによって見込み客の自社商品への関心の高さを数値化・可視化することができます。
次のステップで個々の見込み客の関心の高さに応じたコンテンツを提供するためにもスコアリングは非常に重要なってきます。マーケティングにおいては良質なコンテンツを用意することも重要ですが、そのコンテンツを配信するタイミングも同じくらいに重要なのです。
「属性」
見込み客がターゲットとなる製造業であるなら20点、製造業以外なら5点というように属性によってスコアを設定します。
「購買行動」
展示会に来場している場合は30点、メルマガを購読していれば20点、Webサイトを閲覧していれば10点、商品・サービスの詳細ページを閲覧していれば20点といったようにスコアを設定します。
このスコアの高さによって見込み客の商品への関心の高さを数値化して可視化できるようにします。
スコアリングに関してさらに理解を深めたい場合は以前の記事「シンプルに始めよう!スコアリングで成約率を上げるために必要なこと」を参照してください。
ステップ4.スコアに応じたアプローチを実施
スコアリングによって見込み客の自社商品への関心の高さを数値スコアで可視化できるようになりました。そこで次にすべきことはスコアに応じたアプローチです。商品にあまり関心のない見込み客に対して商品の売り込みを目的にしたメールを断られるのはほぼ確実です。
たとえば、スコアが20点以上の見込み客には商品を紹介するメールやカタログを送る、スコアが50点以上の見込み客にはセミナーに招待、ホワイトペーパーを送る、スコアが80点以上の見込み客は営業に引き渡すといったスコアに応じたアプローチを実施します。
コンテンツを作る際に意識したいことですが、自社が見込み客に見せたいコンテンツを作るのではなく、見込み客にとってそのコンテンツを読むことがタメになる、有益なものにすることを意識しましょう。
冒頭で述べたように、いきなりの商談には応じてくれない見込み客も、スコアリングによって見込み客の関心の高さに合わせて段階を踏んだ効果的なアプローチとなります。
まとめ
今回ご紹介したような見込み客の自社商品への関心を段階的に高めるリードナーチャリングを実施すればこれまで商談を持ちかけても断られていたような見込み客に商談を承諾してもらえる確率があがることでしょう。
スコアリングの実施、メルマガなどのコンテンツの配信に関してはマーケティングオートメーションツールによって自動化することも可能です。大幅な労力の削減、正確なリードナーチャリングの実施が可能になるでしょう。リードナーチャリングの実施を検討している企業はマーケティングオートメーションツールの導入を検討しても良いのではないでしょうか。