間違ってはいけない! マーケティングオートメーションで「できること」「できないこと」

「マーケティングオートメーション」と聞いてどのようなものをイメージされるでしょうか?
マーケティングを自動的に行ってくれるもの?
勝手に売上が上がるシステム?
マーケティングオートメーションは比較的新しい言葉ですので、まだ定義が曖昧なところがあります。しかし、マーケティングオートメーションを活用するためには、その機能と期待できる効果を正しく理解しておくことがポイントになります。今回は、マーケティングオートメーションの全体像を理解していただくコンテンツの第1弾として、マーケティングオートメーションで「できること」と「できないこと」についてご説明します。マーケティングオートメーションの導入をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

間違ってはいけない! マーケティングオートメーションで「できること」「できないこと」

マーケティングオートメーションに関する誤解

マーケティングオートメーションのメリットを最大限に活用して、実のある成果を上げるためには、まずそれに対する誤解を解き、正しく理解しておく必要があります。それではマーケティングオートメーションに関する誤解とはどのようなものがあるのでしょうか?

効率良く自動でメールを配信できるシステム?

後でも触れますが、マーケティングオートメーションには自動メール配信機能が備わっているのは事実です。しかしそれは機能の一部に過ぎません。マーケティングオートメーションが持つメール配信機能は、メールの配信自体を効率化するものではなく、どのようなメールを誰にいつ配信すれば、最も成果が上がるのかというメール配信の適正化を目的としています。

見込案件やリードを管理するツール?

マーケティング活動においては見込案件の管理、すなわちリード管理は最も重要な事柄です。営業管理システムとして導入が進んだいわゆるSFAシステムでは、リードの管理が最も重要な要素であり、個別の案件や全社のリードの状況を可視化することに重点が置かれ、一定の成果を収めました。

しかしマーケティングオートメーションでは、「管理」の発想からさらに一歩進めたリードの「創出」や「醸成」が大きな役割となり、また期待されている機能でもあります。ちなみに、醸成とはナーチャリングとも呼ばれ、リード(見込)を実際の自社の顧客に育てていく活動や施策のことを言います。

何もしなくても自動で売上が上がるシステム?

「マーケティングオートメーション」という名称から、そのように誤解される場合も少なくありません。
マーケティングオートメーションには、マーケティングの精度と効率を飛躍的に向上させ売上を伸ばすためのさまざまな機能が備わっています。しかし、その機能を存分に活用し具体的な成果に結び付けるためには、それを「どのように動かすのか?」というのが重要なポイントです。

すなわち、「目的やゴールを設定し戦術を練る」「実施した施策の効果検証を行い、より良い戦術を練り直す」という作業は人が行う必要があります。しかし、施策の実施やその効果検証に対する強力なサポート機能を持っているので、人は「考えること」に集中でき、マーケティング活動のスピードが今までと比べ物にならないほど早くなる可能性があります。従ってマーケティングオートメーションは、「自動的に売上を上げてくれるもの」ではなく、「マーケティング活動の効率と効果を飛躍的向上させ、それによって売上を伸ばすことができるもの」と考えるのが正しいでしょう。

また、マーケティングオートメーションのシステムには、最初から専用で開発されたものの他に、メール配信システムやSFAから発展したものがあります。それぞれのシステムは、やはり元になった機能が最も得意ですが、マーケティングオートメーションのシステムとして機能するには、これから述べるような機能を備えていることが必要です。

マーケティングオートメーションで実現できること

マーケティングオートメーションは、マーケティングの効率や成果を向上させるためのさまざまな機能を備えています。ここでは具体的にどのような機能があるのかを見てみましょう。

リード管理

さまざまな場所や機会を通じて得られた、リード情報を管理する機能です。ベースになるのは顧客情報のデータベースです。後で述べる、スコアリングやナーチャリング機能を最大限活用するためには、このリード情報が適切に管理されている必要があります。

ランディングページやフォームの作成/管理

リードはさまざまな場所や機会で創出されますが、Webサイト上からのリードも多く発生します。資料請求や問合せなどのフォームや、メールとリンクしたランディングページを生成する機能により、効率良くリード情報を得たり、醸成していくことができます。さらに、フォーム上やランディングページ上からの資料をダウンロードする際にユーザー認証機能があれば、ログの記録も容易に行うことができます。

スコアリング

自社サイト内でのリードの行動履歴に基づいて、見込度合いや傾向を数値化する機能がスコアリングです。マーケティングオートメーションの最も根幹となる機能の1つです。サイト内の行動履歴のログ管理ができていることが前提となります。スコアリングの状態によって配信するメールを適正化したり、非常に見込度合いが高いリードは「ホットリード」として営業マンと直接共有することが可能です。

リードナーチャリング

スコアリング機能と合わせて、マーケティングオートメーションの中核となる機能です。リードナーチャリングとは、先にも申し上げた通りリードを顧客化するために、さまざまな方法を用いて「育てて」いくことです。

差が分かりづらいのが「営業活動」との違いでしょう。営業活動は一方的な販売促進活動ですが、ナーチャリング場合はリードの興味度や興味対象、またその時々の状態によって最も適切と判断されるコンテンツを届けることが基本的なやり方です。そうすることにより中長期的な視点での顧客化を目指します。もちろん短期的な施策による販売促進活動を行うことも可能です。

ナーチャリングによるコンテンツ配信の適正化は、主に、次に述べるメール配信機能との連携や、高度なものでは、Webサイトと連携し個別のリードによってWebサイト上で表示するコンテンツをコントロールすることも可能です。

メールマーケティング

さまざまな切り口でリードをセグメントして、パーソナライズしたメールを配信する機能です。顧客特性などの静的なセグメントだけではなく、上記で述べたナーチャリングなどの動的な要素で配信する内容を適正化できる機能がマーケティングオートメーションでのメール配信の特長です。

マーケティングオートメーションでできないこと

ここまでで見てきたように、マーケティングオートメーションは、マーケティング担当者が今まで自分で行ってきた処理や調査作業の多くの部分を「自動化」してくれるツールです。

手足としてフルに働いてくれますが、プランニングなどはやはり人が行わなければなりません。しかし存分に使いこなせば、優秀で頼れる秘書的存在として私たちを強力にサポートしてくれます。

その結果、担当者は戦略立案や効果検証などのよりインテリジェンスなタスクに集中することができ、マーケティングの効率、そして効果を飛躍的に向上させることにつながります。

まとめ

  • マーケティングオートメーションは、メール配信などの単一の機能をもつシステムでも、全自動で売上を向上させるシステムでもない。
  • マーケティングオートメーションは、スコアリングやナーチャリング、メールマーケティングなどマーケティング活動に必要なさまざまな機能を持っている。
  • 調査や処理などの作業はマーケティングオートメーションで自動化し、人はプランニングに集中することでマーケティングの成果を向上させることができる。

いかがでしたでしょうか? 「やっぱり自分でやらなきゃダメなのか…」と感じられた方もおられるかもしれません。しかしマーケティングオートメーションは使い勝手の良いシステムが多くすぐに使い始められるので、単純に作業部分を自動化するだけでも相当の効果が期待できます。とくにナーチャリングに関しては、作業自体が複雑な場合が多く、大きな効果が期待できるでしょう。

  • マーケティングオートメーションツール選定ガイドブック