展示会の効果を最大限高める方法

製造業BtoB企業では、展示会出展を販促/マーケティング活動の中核と 位置付けている企業が多いです。
また、それらの企業における広告宣伝費の中で、最も多くの予算を占めているのが展示会出展費用であることも事実でしょう。
よって、昨今よく耳にする「施策の費用対効果」の観点で考えると、展示会から得られる効果を最大限上げる必要があるため、それを実現する方法についてはよく考えていただきたいのです。

展示会の効果を最大限高める方法

製造業BtoB企業では、展示会出展を販促/マーケティング活動の中核と 位置付けている企業が多いです。

また、それらの企業における広告宣伝費の中で、最も多くの予算を占めているのが展示会出展費用であることも事実でしょう。
よって、昨今よく耳にする「施策の費用対効果」の観点で考えると、展示会から得られる効果を最大限上げる必要があるため、それを実現する方法についてはよく考えていただきたいのです。

展示会の現状

まずこの図をご覧ください。

展示会集客リスト

これは、製造業BtoB企業が展示会で獲得した集客名刺リストの内訳を図にしたものになります。見てわかるように営業フォローが行われる見込み客は全体の20%程度になり、その中で営業活動へ直結できるのは30~40%といわれているので、それらが全体に占める割合は6~8%ということになります。

多くの展示会来場者の目的は情報収集であり、そのほとんどは決裁権のない実務担当者だといわれています。そのため、すぐに営業活動へ直結できるような具体的な案件をもった来場者と出会える確率は必然的に低くなり、このような結果になると思われます。

また、来場者は通常複数の企業ブースへ立ち寄るので、自社ブースへ来てくれた時によほどの強いインパクトを受けないかぎり、しばらく経つと記憶が薄れてしまうことも大いに考えられます。

よって、ただ単に展示会に出展するだけでは、商売につなげられる可能性は極めて低いと言わざるを得ません。

展示会出展の目的

そこで、まず展示会出展の目的を決めることが重要です。
先にも述べたように多くの展示会来場者の目的は情報収集であるため、営業へすぐ 直結できるような「今すぐ案件客」に出会える確率はかなり低いでしょう。

よって、展示会来場者は「そのうち見込み客」としてとらえた上でそれらの名刺を集めること、つまり「新規見込み客のリスト獲得」を目的とすることが、多くの製造業BtoB企業に適しているといえます。

ただ、「新規見込み客のリスト」を集めただけでは商売に結びつかないので、営業につなげるため展示会後に取り組んでいく必要があるのが「見込み客のフォローアップ」になります。

展示会フォローのベストプラクティス

製造業BtoB企業では、展示会会期中でのアテンド時にアンケートを取っている企業が増えてきています。その目的のほとんどは展示会後のフォローアップをする上での優先順位付けをするためです。また、一部の企業ではアンケート回答結果に応じてランク分けをしており、A~CorEランクといった3~5段階の判定をして、フォローアップの優先順位付けをよりシンプルに行えるようにしています。

その上で、AorBランクの見込み客に対しては、展示会終了後すぐに営業部門へフィードバックが行われ、営業アクションが始まるので、あとは営業マンに任せておけばいいということになります。

そこで、問題となるのがCランク以下の見込み客へのフォローです。仮にA~Eランクのランク分けをした場合AorBランクの占める割合は10~20%といわれています。つまり残りの8~9割はCランク以下となるため、もし300件の名刺を獲得したら240~270件の展示会獲得リストがCランク以下ということになります。

よって、展示会効果を最大限高めようとしたら、最もボリュームが多いCランク以下の見込み客に対して、どれだけ営業につなげられるかが重要であることは明白ですが、製造業BtoB企業では以下の理由からそこにほとんど手が掛けられていないという事実が存在します。

その理由とはマンパワー不足です。どの製造業BtoB企業でも限られた営業人員で営業活動を行っており、その中で既存客フォロー・現在進行中の案件フォロー・クレーム対応などをしているので、確度が不透明な見込み客フォローまで手が回らないのが現実でしょう。どの営業マンにとっても売上アップは至上命題なので、新規拡販を狙うべく新規見込み客へアプローチしなければと頭ではわかっているものの、こなす業務の優先順位の問題で手が付けられないともいえます。

とはいえ、Cランク以下の見込み客にもいずれ検討案件が発生する可能性があるので、案件が発生したタイミングでフォローができないと競合他社に声がかかってしまい、機会損失という憂き目にあってしまうことも考えられます。それを避けるためには、営業マンの手が回らないからといって諦めるのではなく、マーケティング/販促部門が中心となってそこを補完するための施策を講じる必要があるのです。

その施策全般が、マーケティング用語でいうのところの「リードナーチャリング」になり、日本語でいうなら「見込み客の育成/啓蒙」になります。その目的は、展示会等の集客フェーズで獲得した見込み客の中で、すぐに営業/販売活動に結びつかない見込み客を中長期スパンで継続的にフォロー/育成し、最終的に営業/販売活動につなげていくまでの道筋をつくることになるのです。
では、そのベストプラクティスは何かというと、「メールマーケティング」になり、その理由は2つあげられます。

まず1つめは、メールの場合1,000件でも10,000件でも、同じ労力とコストで万遍なく一斉にアプローチできるのでコンタクトの手段として圧倒的に効率がよいからです。

2つめは、効果測定がしやすく、自社のマーケティングノウハウの蓄積もでき、そこから得られた情報を二次利用して別の新たなマーケティングや営業の施策へ展開できるようになるからです。
では、どのような情報を見込み客へ発信していくのがいいのでしょうか。

展示会フォローに適したコンテンツ

例えば、毎回製品紹介のような内容で、製品スペックに関する情報ばかりのメール送られてきたら、ご自身が受け取り手の立場の時に興味をそそられて読もうと思うでしょうか。おそらく毎回そのような内容だと辟易して読まなくなると思います。

では、どのような内容だったら、興味関心を持ってより多くの見込み客にメールを読んでもらえるでしょうか。それは、ご自身がメールを受け取る立場にたった時に、どのような情報をもらえたら嬉しいかと考えることにヒントが隠されています。

製造業BtoB企業の見込み客のほとんどはエンジニア(技術担当者)になるため、そのような職種の方が興味関心を持つ可能性が高いのは、御社製品の導入事例や用途例や技術情報等になるでしょう。

よって、御社製品がどのようなシーンでどのように使われているのか、どのような技術的要素が盛り込まれているのかを、メールにて小出しにして発信していけば、検討案件が発生し何かを探している見込み客の目に留まり引き合いを出してもらえるようになるのです。

Cランク以下の確度の不透明な見込み客でも、引き合いさえ取れれば、その情報に基づきピンポイントで営業アプローチができるようなり、マンパワー不足の企業でも効率よく営業アクションがおこせるようになるでしょう。

まとめ

最後に、展示会の効果を最大限に高める方法を一言でまとめると、「展示会来場者リストを会社資産/リソースとしてフル活用する」ことに尽きます。

つまり、展示会来場時点ではそれほど有望度合いが高くない、もしくは確度不明な見込み客の顧客データをその後眠らせてしまうのではく、中長期スパンで継続的にフォローをすることで、都度タイミングのいい見込み客から手を挙げてもらうように仕向け、そこから商売につなげていくことが重要なのです。

そのプロセスを仕組み化することこそ、製造業BtoB企業が展示会の効果を最大限に高められる王道になりますので、まだ着手できていない企業はすぐに取り組みはじめてください。

  • 製造業BtoB企業のためのメールマーケティングガイドブック