法人営業における商談の極意とは

製造業BtoBビジネスにおける法人営業では、個人ではなく企業組織に対しての営業になるため、法人営業ならではの営業手法や営業スタイルが存在します。

その中でも、特にアプローチする相手や商談時の営業トーク内容は、最終的な営業成果や売上を左右する重要な要素になるため、入念な準備をする必要があります。

製造業BtoBビジネスでの営業において、誰に対してどのような営業トークを繰り広げて商談を進めていけば、営業成果を最大限上げることができるかを考えていきましょう。

法人営業における商談の極意とは

製造業BtoBビジネスにおける法人営業では、個人ではなく企業組織に対しての営業になるため、法人営業ならではの営業手法や営業スタイルが存在します。

その中でも、特にアプローチする相手や商談時の営業トーク内容は、最終的な営業成果や売上を左右する重要な要素になるため、入念な準備をする必要があります。

製造業BtoBビジネスでの営業において、誰に対してどのような営業トークを繰り広げて商談を進めていけば、営業成果を最大限上げることができるかを考えていきましょう。

キーマンへの営業アプローチ

一般的に、製造業BtoBビジネスの客先となる企業には担当者が複数人存在します。客先企業が大手になればなるほどその数は増える傾向になり、一つの部署に数十人の担当者がいるケースもあるかもしれません。

そうした場合、しらみつぶしに一人ずつアプローチしても効率が悪いだけで成果はあがりません。そこで、どうするべきかというと、キーマンへピンポイントでアプローチするということになります。

キーマンは大きく2種類に分けられ、1つは選定キーマンで、もう1つは決裁キーマンになります。

前者は他社も含めて比較検討したうえで導入する製品を選ぶ担当者で、後者は製品購入の承認をする担当者になり管理職の立場の方が多いです。尚、購入する製品単価が少額の場合や客先企業規模が小さい場合は、1人の担当者が選定も決裁もするキーマンの場合もあるかもしれません。

いずれにしても、キーマンにアプローチしないことには製品購入に向けて商談は進んでいかないので、まずは誰がキーマンなのかを把握する必要があります。

キーマンを把握する方法としては、客先企業の接触したことがある担当者にヒアリングをすることが最もシンプルな方法ですが、完全な新規開拓でヒアリングできる担当者がいない場合は、全体を把握している可能性が高い部課長レベルの担当者へアプローチしたうえでヒアリングするのがキーマンへ辿り着く近道だといえるでしょう。

商談時における営業トークの4ステップ

キーマンがわかりアプローチ先が決まれば、アポイントを取り面談したうえで商談スタートということになりますが、商談時の営業トークの流れいかんによって結果が大きく左右しますので、そのプロセスを体系立てて考える必要があります。

これから、営業トークのプロセスを4つのステップにそって解説していきますので、商談時における営業トーク構築のヒントにしてみてください。

ステップ1:状況質問

まずは、導入してもらいたい自社製品に関する現在の状況について質問をします。

具体的には以下のようなことを確認することになります。
「導入済みの競合製品名称」、「用途」、「選定理由」、「購入頻度」、「年間購入量」、「購入単価」

営業トーク例としては、このような感じの質問の仕方になるでしょう。

  • 「本日ご紹介する製品AB123の他社同等品をご使用になってらっしゃいますでしょうか?」
  • 「どのライン(どの装置)でどのような使い方をされているのでしょうか?」
  • 「XYZ社のV900をご導入されたのはどのようなポイントが決め手になったのでしょうか?」

ステップ2:問題提起

現在の状況が把握できた後に行うことは、問題を提起する質問になります。

問題を提起する要素としては、自社製品が競合他社製品に対して優位に立てる機能/特長に関連した質問をすることで、客先担当者がどの程度問題意識があるかを確認し差別化するポイントを探っていくことになります。
営業トーク例としては、このような質問内容になるでしょう。

  • 「○△の速度がさらに速くなることでタクトアップや生産数増加につながるということはないでしょうか?」
  • 「△○の精度がさらに向上することで品質アップに影響するということはないでしょうか?」
  • 「ライン(装置)の周辺環境の問題(埃、水、油等)で誤動作するということはないでしょうか?」

ステップ3:深掘り質問

問題提起の質問に対して、客先担当者からYESの回答があった場合、それに対してさらに深く掘り下げる質問をしていきます。

そうすることで、客先担当者の問題意識はさらに高まり、不安を感じるようにもなるかもしれません。
すると、その問題を解決したいという気持ちや改善意欲が大きく芽生えてくるでしょう。

ステップ2の問題提起の質問に対する深掘り質問の営業トーク例としては、このようなものになります。

  • 「生産量が現状のままだと、販売価格を下げられないので競争力が弱まるということはないでしょうか?」
  • 「品質が現状のままだと、他社製品との価格競争に巻き込まれてしまうということはないでしょうか?」
  • 「誤動作でラインが止まると、最終的に生産量に悪影響を及ぼすということはないでしょうか?」

ステップ4:解決策の提示

客先担当者の問題意識や改善意欲が高まったタイミングで、最後に行う営業トークが解決策の提示になります。

トーク内容としては、自社製品のオリジナル機能や競合他社製品に対する優位点となる特長を織り交ぜながら、自社製品を採用することによって、現状の問題がどのように解決できるのかを客先担当者が具体的にイメージできるように伝えることができれば、商談確度は確実に高まるでしょう。

先述までの流れにおける解決策提示の営業トーク例としては、以下のようになります。

  • 「当社製品の□△モードをお使いいただくと現状より50%速くなるので、タクトタイムは10%縮む計算になり生産量アップに直結します。」
  • 「当社製品の△□機能をお使いいただくと現状より精度が30%向上するので、品質アップに直結します。」
  • 「当社製品は□□仕様になっており耐環境性が大幅に改善するので誤動作は起きなくなります。」

営業トークのツボ

営業トークのツボとしては、2種類のポイントが関係します。

それは、「セールスポイント」と「パーチェスポイント」になり、その違いは、「セールスポイント」は「ME目線」で、「パーチェスポイント」は「YOU目線」ということです。

つまり、「セールスポイント」に基づいた営業トークとは、自社製品の特長や機能を全面にだしたトークで、「パーチェスポイント」のそれは、お客様が享受できるメリットを全面にだしたトーク、ということになります。

どちらの営業トークが客先担当者に響くと思いますか? ご自身が消費者でモノを買う立場にたって考えてみるとすぐわかると思いますが、確実に「YOU目線」の「パーチェスポイント」の方が客先担当者には響くでしょう。

したがって、営業トークを考える場合は、「セールスポイント」と「パーチェスポイント」を掛け合わせてつくっていけば客先担当者の心に最も響くトークスクリプトになっていくのです。

その簡易的なトーク例を提示しますので参考にしてください。

  • 「当社製品はメンテナンスフリーになりますので、今までメンテナンスに要していた週2時間(月8時間/年96時間)を完全に省くことができます。」
  • 「当社製品は高精度/高分解能により現状と比べて10倍精度アップするので、今まで段取り替えごとに行っていた感度調整作業が完全に不要になります。」
  • 「当社製品は超小型で今お使いのものより50%小さくなるので、設置場所の空いたスペースを他目的で有効活用できるようになります。」

クロージング

BtoBビジネスにおける法人営業では、営業相手が企業組織になりますので、その場で即決購入となるケースはほとんどありません。

よって、商談を最終的に売上につなげていくためには、然るべきクロージングを行う必要があるでしょう。
具体的に行うアクションとしては、自社製品を購入してもらうためにどのような手順を踏む必要があるのかを、客先担当者に確認したうえで、そのスケジュールとやるべきことに関してコンセンサスをとっていくということになります。

購入に向けた代表的な手順例としては上申承認や稟議申請といったものになるので、それに要する時間や承認/申請をとおすために自社が提出するもの(見積り、比較表、提案書、導入事例etc)を確認し、客先担当者が導入するまでのプロセスをイメージできるところまでもっていくことが重要です。

また、その時に予想されるハードルやネックについても客先担当者へヒアリングし、その時点で懸念事項があるようなら、それを払拭する手立ても事前に提示しておくことで、商談が頓挫してしまう確率を下げることができます。

そのうえで、最終的に客先担当者と「いつまでに何をする」ということについてコンセンサスが取れれば、あとはそれに沿ってクロージングをすることで、受注確度を高めていけるでしょう。

まとめ

製造業BtoBビジネスにおける法人営業では、営業手法や営業スタイルは営業マン任せで属人的になっている企業がまだ多く見受けられます。
営業マン自身の個性はあって然りですが、商談プロセスや営業トークについては、ある程度社内で大枠のルールをつくり共有化し仕組み化できれば、さらに組織力と営業力の強化につながり、最終的に売上アップに直結していけるでしょう。

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