動画をBtoBマーケティングに活用する際にこれだけは押さえておきたい3つのこと

動画をBtoBマーケティングに活用する際に押さえておきたいことを3つに分類してお伝えします。

動画をBtoBマーケティングに活用する際にこれだけは押さえておきたい3つのこと

当記事を読んでいる人には、BtoBの自社商品・サービスの販売促進に動画の活用を検討されている人もいると思います。しかし、最初に考えたいことですが、そもそも動画は文章やイラストに比べてどんな強みがあるのでしょうか?

一般的に動画は文章やイラストだけでは説明が難しいことをわかりやすく説明できます。動画だと実際にどのようにその商品・サービスを利用するのか、どのような利用メリットがあるのかを視覚的に説明でき、説明に説得力を持たせることができるのです。

文章の商品の利用体験談と、実際の顧客が顔を出して動画で商品の利用体験談を語っているのと、どちらが説得力があるのかというと後者の動画ですよね。

ここまで述べたところで、
「動画が良いのはもちろんわかっているけど、いざBtoBに動画を活用する際にどのようなことを知っておくべきか、意識すべきかわからない」
と思われる人が多いと思います。

当記事では、そういった人のために動画をBtoBマーケティングに活用する際に押さえておきたいことを3つに分類してお伝えします。

BtoBに求められる動画の特性を理解すること

BtoBの商品・サービスは一見しただけでは分かりにくいもの、伝わりにくいものも多いので動画を活用する意義は十分にあります。しかし、より効果的に動画を活用するためにはBtoBに求められる動画の特性について理解を深める必要があります。

BtoBとBtoCに求められる動画は異なる

BTOBとBTOCに求められる動画は異なる

BtoCの顧客層は個人が顧客であり、BtoBの顧客層は法人が顧客となります。両者はマーケティングのスタイルも異なり、求められる動画の内容も異なってきます。

BtoC向けの動画は顧客の感情に訴えかける

コカ・コーラのCM

画像引用https://www.youtube.com/watch?v=ZrT7idWS45o

BtoCに求められる動画は「おいしそう」「楽しそう」など、臨場感を演出することでその商品を購入したくなるように感情を煽ります。例えば、コカ・コーラのCMで「プシュッ」と缶のブルを抜いているシーンなど印象的ですよね。BtoCではコカ・コーラのCMのようにその動画を見るとつい衝動買いしてしまいそうなるような、感情を煽る動画が活用されています。

BtoB向けの動画は顧客にベネフィットを提示する

一方で、BtoBに求められる動画は顧客の感情を煽るのではなく、商品・サービスを購入することで顧客の抱える課題が解決すること、顧客が得られるベネフィット(便益)を顧客に説明することが求められます。

顧客の感情を煽ったところでBtoBの法人の顧客は衝動買い的に購入を決定することはないのです。BtoBの製品は金額面も高額ですし、購入の決定者は複数人になることが多くより慎重になります。

それでは効果的なBtoB向けの動画を作る上で意識すべきことは一体何かお伝えします。

顧客の抱える課題に着目すること

BtoBマーケティングに効果的な動画を作る際には「顧客の抱える課題に着目すること」が何よりも大切です。

その言葉の意味、なんとなくわかるものの、腑に落ちないと思います。この「顧客の抱える課題に着目すること」は当たり前といえば当たり前なのです。

自社商品が顧客の抱える課題を解決するソリューションであることを伝える

BtoB向けの動画でいまひとつ結果が出ずに失敗に終わっている動画は自社の商品・サービスのアピールに終始しており、顧客の抱える課題に着目して作られていません。動画においては、自社商品・サービスの魅力をアピールすることはもちろん大事です。

しかし、だからといって社員や誰かに「弊社の商品・サービスは○○○でこんなにいいんですよ。ぜひお試しください。」と自社の商品・サービスの良さを一方的に語らせたような動画を作っても顧客の納得は得られません。

説得力のある動画を作るには、まずもって顧客の抱える課題に着目しましょう。そして、それの課題は自社の商品・サービスで解決できることを動画でシンプルにわかりやすく説明できると良いでしょう。

Dropboxの動画にみる効果的な動画

DROPBOX

実際に成果を上げている企業の動画事例をご紹介しましょう。ご紹介するのはテキスト、動画などのファイルをオンライン上で共有できるオンラインストレージのサービスを提供するDropboxのサービスの説明動画です。

オンラインストレージサービスは今でこそ、Dropbox以外にもGoogleDriveなど多くのサービスが登場し、多くの人から認知されているサービスです。しかし、Dropboxが創業した2007年からつい数年前までは、まだまだ一般の人からの認知度は高くなかったのです。

まずその理由としては、オンラインストレージサービスを利用すると、どういったメリットがあるのか顧客にとってわかりにくいからです。

Dropboxは、そのわかりにくいサービスを顧客に理解してもらうために動画を活用しました。動画はDropbox自社Webサイトの前面に出しました。

この動画を導入した結果としてDropboxの顧客数は10%増加、当時5000万人だったDropboxのユーザー数から考えると500万人の顧客増という結果になりました。また売上も2400万ドル(約29億円)増加の効果があったと言われています。(※データはこちらより引用http://www.switchvideo.com/2012/07/25/how-a-simple-video-skyrocketed-dropboxs-success/)

Dropboxの動画はどのような内容のものだったのでしょうか。Dropboxのサービス説明動画「What is Dropbox?」の内容をご紹介します。

DROPBOX

(画像引用https://www.youtube.com/watch?v=OFb0NaeRmdg)

お金を支払う際に、財布を他のズボンに入れたまま家に忘れてきたことに気づきました。
また、車の鍵を家に忘れてしまいました。

DROPBOX

(画像引用https://www.youtube.com/watch?v=OFb0NaeRmdg)

それらの問題は「収納」によって解決します。たとえば財布、鍵などなんでも収納できる魔法のポケット1つあればそんな問題は発生しないのです。

DROPBOX

(画像引用https://www.youtube.com/watch?v=OFb0NaeRmdg)

この「収納」の問題はパソコンやスマートフォンなどで使用するテキストや写真などのファイルに関しても同じことが言えます。1つの場所にファイルを「収納」できれば便利なことが多いです。

DROPBOX

(画像引用https://www.youtube.com/watch?v=OFb0NaeRmdg)

Dropboxはファイルに対して前述した魔法のポケットのような役割を果たします。

DROPBOX

画像引用https://www.youtube.com/watch?v=OFb0NaeRmdg

これまで異なるデバイス間でファイルの受け渡しをする際にはいちいちUSBを使っていました。もしくは知人や会社の同僚にファイルを受け渡す際にはメールで送っていました。ファイルがバラバラに分散していると面倒な手間がかかります。

DROPBOX

(画像引用https://www.youtube.com/watch?v=OFb0NaeRmdg)

しかしオンライン上でDropboxという1つの場所にファイルを「収納」することで、異なるデバイス間でも同一のファイルを共有できます。

DROPBOX

(画像引用https://www.youtube.com/watch?v=OFb0NaeRmdg)

Dropboxに「収納」することにはたくさんのメリットがあります。たとえば旅に出たとします。旅の道中でパソコンが浸水して壊れたという状況に陥ってもファイル自体はオンライン上のDropboxに保存しているので問題ありません。好きな時、好きな場所でDropboxから取り出せます。

DROPBOX
(画像引用https://www.youtube.com/watch?v=OFb0NaeRmdg)

Dropboxは会社でも社員間でファイルを共有することに使うことができます。もちろん個人でも使うことができます。

ご紹介したのは動画の内容の一部ですが、大まかには上記のような動画となっています。顧客が抱える問題に着目し、それを自社サービスなら解決できるとシンプルにわかりやすく説明することに成功しています。

ストーリーを活用すること

顧客に好まれる動画はストーリーをもっています。ただ単に「この商品は○○が良い。●●が良い。」と事実を羅列しただけでは、いくらその事実自体が魅力的であったとしても最後まで顧客に動画を視聴してもらうことは難しいです。顧客がストレスなく視聴を継続できるストーリーが必要です。

手法その1「比喩」

身近なことと置き換える「比喩」は動画にストーリーをもたせる1つの方法です。

前述したDropboxの場合であれば、

よく忘れる財布、鍵などは1つにまとめて収納できる魔法のポケットがあると便利

それと同じ様に、パソコンやスマホで使うファイルも1つに収納できれば便利

Dropboxならそのファィルを1つにまとめる収納の役割を果たせる

このように比喩を使うことでサービスをわかりやすく説明することに成功していますし、比喩自体がストーリーとなるので動画を見ている側に話がスムーズに入っていきます。

手法その2「顧客の利用体験」

顧客の利用体験

(画像引用https://vimeo.com/82424269)

実際に自社の商品・サービスを利用した顧客の利用体験を紹介すると良いでしょう。顧客がどのような課題を抱えていたか語ってもらい、自社の商品・サービスがそれをどうやって解決したのか紹介します。利用体験を入れることで説得力のある動画になります。

顧客が抱える課題をはっきりとさせ、それを自社の商品・サービスがどのように解決するのかを顧客に動画で提示しましょう。

まとめ

動画は文章、イラストなど情報を伝える手段のうちの1つです。しかし、動画だからこそ、難しいことをわかりやすく伝えることができる、説明に説得力がある、という強みがあります。そのような効果のある動画を作るためには戦略を持って動画の内容を考えることが必要です。

繰り返しになりますが

  • 「BtoBに求められる動画の特性を理解すること」
  • 「顧客の抱える課題に着目すること」
  • 「ストーリーを活用すること」

を念頭に動画の活用を検討してみてください。当記事が戦略的に動画の活用を考えるキッカケになれば幸いです。

  • 製造業BtoB企業のためのメールマーケティングガイドブック