成果に差がでる!マーケティングオートメーションで行うメールマーケティング

今回は、マーケティングオートメーションを利用してどのようにメールマーケティングを進めていけば効果的なのかをご説明します。

成果に差がでる!マーケティングオートメーションで行うメールマーケティング

メールマーケティングはWebマーケティングの中でも比較的歴史が古い手法ですが、現在でもさまざまな場面で活用されています。やり方自体は高度化したり変化したりはしているものの、やはり一定以上の効果を上げることができるため、長く利用されてきました。

メールマーケティングでは、一般消費者向けのBtoCに比べて、BtoBでは短期的な施策だけでは大きな効果を出すのは困難だと言われます。なぜなら、BtoBでは購入の必要性が生じてから最終的な購買決定までのプロセスが複雑で長くなるためです。

見込客(リード)にいつ購入の必要性が発生するかが自社側では予測できないため、購買決定までのプロセスに従ってうまく醸成しなければ、なかなか思ったような効果を生み出せません。この点が「欲しい!」と思ってすぐ購入できるBtoCと大きく違うこところです。

このようなBtoBにおけるメールマーケティングの課題を解決してくれるのが、マーケティングオートメーションです。マーケティングオートメーションを活用すればBtoB取引などに適した長期的なリードの醸成(リードナーチャリング)を効果的に行うことが可能になります。

今回は、マーケティングオートメーションを利用してどのようにメールマーケティングを進めていけば効果的なのかをご説明します。

準備編-メールマーケティングを始める前に

まずは、どのような準備が必要か確認しておきましょう。

自社の顧客像を明確にする

どのようなマーケティング活動でも同様ですが、まずは自社または自部門が想定する顧客像を改めて明確にしておきましょう。
業種や企業規模、担当者の職種などのターゲット像を明確にし、さらに自社製品導入によって顧客が得られるベネフィットも再確認しておく必要があります。また購買プロセス中で登場するパーソンは複数人になる場合が多いのでその点にも留意します。

現在のリードの状態を把握する

現在のリード情報がどのようなきっかけで集まったものなのか、近々のリードの動向はどのようなものなのかを把握しておきます。マーケティングオートメーションの分析機能などを利用すると、効率的に把握することができます。

リードの状態によりどのような点に重きを置くかを判断し、リードの状態によって戦略を変える必要があるためです。

また、具体的なメールマーケティングの施策を実施した後で効果測定を行うためにも事前の状態を把握しておくことが重要です。

「何のためのメールマーケティングか?」をもう一度確認する

企業によりメールマーケティングを行う目的はさまざまです。その時々で注力する製品のプロモーションを行っても良いですし、展示会やセミナーの誘致に積極的に活用しても良いでしょう。しかし上でもご説明した通り、BtoBでは単発的な施策ではなかなか明確な成果が出にくいものです。

従って大きな視点ではまず目的は次ように設定しておくのが良いでしょう。

  • メールにより有用な情報を配信し、自社に対するロイヤルティや信頼性を向上させ、自社とリードとの長期的で良好な関係を構築する
  • その上で、製品や自社の訴求を行い、購買意欲を向上させる
  • 購買意欲の高いリードを発見し、販売促進や営業部門との情報共有を行う

実践編-どのようにメールマーケティングを進めれば良いか

それでは具体的にどのように進めていけばよいのかをご説明します。

リードをセグメントする

長期的な関係を構築していくためには、リードにとって有用な情報を継続的に発信していくことが必要になります。そのために用いられるのがいわゆるメールマガジンです。

一言で「有用な情報」と言ってもリードの状態によって求める情報が違うので、リードの購買プロセスがどれだけ進んでいるかによってある程度セグメントする必要があります。

セグメントの基準は「どれだけ購買プレセスが進んでいるか」を見極めることです。マーケティングオートメーションのWebログ情報を使って、リードの行動情報を分析します。

通常は、購買プロセスが進んでいると、より具体的な製品情報などを参照するようになります。従って、直近のWebログで製品の機能詳細ページや価格ページなどがある場合は比較的購買プロセスが進んでいると考えます。また、反対に具体的な詳細情報のページを閲覧していない場合は、まだそれほど購買プロセスが進んでおらず、まだ具体的な購入検討までには至っていない可能性があります。

このような基準で、リードを何層かにセグメントします。具体的なセグメントは、マーケティングオートメーションのスコアリング機能を使ってポイント化するのが良いでしょう。

リード状況にマッチした情報を発信する

そうしてセグメントしたリード層のそれぞれに適したメールマガジンの内容を考えます。

購買プロセスがまだ進んでおらず、まだ検討段階であると考えられるリードに対しては、製品を導入した際の一般的なベネフィットや導入する際の注意点などの情報があれば参考になります。反対にその製品カテゴリー自体の購入は決まっているが、最終的な機種選定の段階であれば、上記のような情報はあまり必要ではなくなっているので、より具体的な製品選定の基準や選定時の注意点などの情報が有用になります。

このようにセグメントしたリード層にできるだけマッチした情報をメールマガジンで提供していくことが、長期的な関係構築には必要になってきます。

このメールマガジンではあまり自社製品の直接的な訴求は行わず、メール上では、関連する製品やソリューションページなどのへのリンクを付けておき、自社製品の簡単な説明程度に収めておきます。積極的な訴求を行わなくても、次に述べるようにリードの反応を確かめる意味でこの自社サイト等へのリンクは重要になります。

リードの反応を計測してマーケティング精度を上げる

メールマガジンを配信する目的は長期的に関係を構築することですが、もう1つ重要な役割があります。それは、リードの反応を見ながらそのリードがどのような状態にあるのかを把握するとことです。そのためには配信するメールに関連する自社サイトのリンク等を掲載しておき、どのリードがどのようなことに興味があるのかを計測できるようにしておきます。

マーケティングオートメーションのWebログ機能とフォーム生成機能などを組み合わせれば、比較的簡単にそのような仕組みが構築でき、しかもリードごとに自動的にログ情報が蓄積されていきます。そのような情報を蓄積した上で、そのリードの状態に従った自社製品の訴求や展示会やセミナーなどへ招待を行うのが効果的です。

例えば、ある製品の情報に対する反応が多いリードをスコアリングして抽出し、その新製品の発表展示会に招待する、また、その製品カテゴリーの具体的な購入検討段階に入っていそうなリードを抽出し、値引きキャンペーンの案内をするなどが考えられます。

また、直近で受注見込の高いリードをホットリードとして抽出し定期的に営業部門に情報共有することも有効な方法です。

このように、リードの状態を把握してそれにマッチした訴求を行うことで、マーケティングの成果や効率も上がり、しかもリードから見ても価値ある情報を提供することが可能になります。

これらは、日頃からメールマガジンなどで関係を長期的に継続していること、またマーケティングオートメーションなどを使い、リードの状態を常に蓄積、分析しているからこそ可能になることです。

まとめ

  • BtoBでのメールマーケティングは、顧客との長期的な関係を構築しながらリード醸成する方法が効果がある
  • 長期的な関係構築のためには、リードの状態を把握しそれにマッチした情報提供を継続的に行っていく必要がある
  • 関係を継続する中で、リードの反応を計測しながらタイミング良く訴求することが成果を上げるポイントになる

いかがでしたでしょうか。リードの状況に合ったメールマーケティングを展開すると言ってもなかなか手間と工数がかかるものでしたが、マーケティングオートメーションにはメール配信機能はもちろん、ログ蓄積やナーチャリング機能などが既に備わっていますので効率的に実施することができます。マーケティングオートメーションによるメールマーケティングを一度検討してみてはいかがでしょうか。

  • マーケティングオートメーションツール選定ガイドブック