自社に最適なものを選ぼう!マーケティングオートメーション選択のポイント

マーケティングオートメーションと一口に言ってもさまざまなタイプがあり、実装している機能が違っていたり、同じ機能を持っていても実現できることに差がある場合があります。
全ての機能を網羅していることが理想とも思えますが、一般的にはフルスペックのものは高価であり、不要な機能が多ければかえって使い勝手が悪くなる場合もあります。
そこで今回は、どのような点に着目してマーケティングオートメーションを選べばよいのか? そのポイントを解説します。

自社に最適なものを選ぼう!マーケティングオートメーション選択のポイント

マーケティングオートメーションと一口に言ってもさまざまなタイプがあり、実装している機能が違っていたり、同じ機能を持っていても実現できることに差がある場合があります。

全ての機能を網羅していることが理想とも思えますが、一般的にはフルスペックのものは高価であり、不要な機能が多ければかえって使い勝手が悪くなる場合もあります。

そこで今回は、どのような点に着目してマーケティングオートメーションを選べばよいのか? そのポイントを解説します。

ここに注目!マーケティングオートメーショの選び方

それでは主な機能ごとに、どのような点に注目すれば良いのかを検討していきましょう。

リード(見込顧客)管理

「リード管理」機能を備えていないマーケティングオートメーションは恐らくありません。あまり表に出て働く機能ではありませんが、マーケティングオートメーションの根幹の機能です。

リード管理はいわばシステムの内部でのデータベースとしての働きですので、正しくデータの一元性や正確性が確保されているのはもちろんのこと、スコアリングやメールなどのその他の機能や、必要な外部データやシステムとの連携が可能かという視点での評価が必要です。
また、対象となる顧客層などにより、データの名寄せなど重要視する必要があります。

WEBトラッキング

現在のマーケティングはWeb抜きではあまり考えられませんので、ほとんどのマーケティングオートメーションはWebトラッキング機能を備えています。

Webトラッキングは、できるだけ詳細の情報を取得できる方が望ましいと言えます。閲覧したページだけではなく閲覧時間や具体的なリードの行動などの詳細の情報が取得できるシステムが良いでしょう。そのようなトラッキング情報の粒度が、その後のスコアリングやナーチャリングの精度に影響を与えることになります。

またトラッキング情報がリード情報と確実にマッチングできるかどうかもポイントになります。

スコアリング

上記のWebトラッキング機能と合わせて、どこまで細かな情報をスコアリングできるのかが1つの選択基準になります。具体的にどのような組み合わせや掛け合わせでスコアリングできるのかのチェックが必要です。

またスコアリング設定カスタマイズの柔軟性も重要な要素です。また複雑なスコアリングを行う場合は、設定画面などの操作性も見落とせない点です。

BtoBの場合は、セミナーや展示会などのリアルのイベント申込みや参加情報、さらに対象企業の業種や企業規模などの企業属性と組み合わせでスコアリングができるとより精度が向上します。

ナーチャリング

ナーチャリングに関しては、一般的にはできるだけ細かい基準でセグメントできるのが望ましいと言えます。

リードの基本属性やWebトラッキング情報、リアルイベントに基づいた行動履歴などを自由に組み合わせたセグメントでナーチャリングが行えると、さまざまなマーケティング戦略に対応ができることになります。反対にBtoC商材で購買プロセスがあまり複雑ではない場合は、それほど細かなセグメントはあまり必要とはならないでしょう。

マーケティングオートメーションによっては、自動シナリオ設定によってメールやコンテンツの配信を行う機能を持つものがあります。シナリオ設定によるナーチャリングは海外では多くの成功事例がありますが、国内では商習慣になじまない面があること、また高度なプランニングを行わなければ成果を上げることが難しいことなどから、そこまでの機能を必要とするかどうかは慎重に検討した方が良いでしょう。

メール配信

マーケティングオートメーションのメール配信機能は、単にメールを送るためではなく、ナーチャリングの一環として、任意の条件のリードに対してパーソナライズしたメールを配信するものです。

メール配信の際には、豊富なテンプレート用意されていたり、レスポンスの向上を期待できるようなテンプレートが用意されていると時間をかけずに高レスポンスを期待できるメールを配信することができます。

そして重要なのがメールの配信後にレスポンスの効果測定ができる機能を持っていることです。さらにA/Bテストなどに対応していると分析の手間を省くことができます。

また、条件に応じて自動的にステップメールを配信する機能を持ったものがあります。自動ステップメールは比較的安価なBtoC商材の場合は有効ですが、BtoCでも単価の高い商材や、BtoBの場合などは、顧客の購買プロセスが複雑になるため、あまり有効でない場合もあります。従ってその必要性は慎重に判断したいところです。

さらに、メールの配信停止(オプトアウト)を自動的に処理する機能があれば、管理工数が削減され顧客とのトラブル防止にもつながります。

フォーム生成

フォーム生成機能を持つマーケティングオートメーションも増えてきました。手間をかけずにフォーム生成ができればマーケティングの工数削減につながりますが、それに加えて既存のWebサイトへ簡単に埋め込みできる機能を持っていれば、より実用的な使い方が可能になります。

外部との連携

SFAやCRMシステムとの連携機能をもつマーケティングオートメーションもあります。もしそれらのシステムで顧客管理を行っている場合は、直接連携させることでシームレスな管理が可能になります。

また、SNSでマーケティング活動を行っている場合は、SNS連携機能の有無も確認しておくと良いでしょう。SNSとマーケティングオートメーション間でリード情報やキャンペーン情報を共有することが可能になります。

BtoBで有効活用するためのチェックポイント

ここまではマーケティングオートメーションの機能別に、選択のポイントを見てきましたが、続いてはBtoBでマーケティングオートメーションを有効活用するために知っておきたいポイントを解説します。

名寄せ/データクレンジング

BtoBマーケティングをご経験された方は感じておられる方も多いのではと思いますが、BtoBではリードの名寄せやデータクレンジングが非常に大切です。

同じ担当者に別々の機会で接触することが多く、それらが同一担当者として処理されなければ、上記でご説明したスコアリングやナーチャリングなどが正確に行えません。また管理する単位も担当者レベルだけではなく、法人単位や部署単位そして担当者単位などの階層で管理できればより精度や効率を上げることができます。

単に「名寄せやデータクレンジングができる」というだけではなく、名寄せの精度や手作業で修正する際の使い勝手などにも差があるので、可能な限りチェックしておくべきでしょう。名寄せやデータクレンジングは一見地味な機能に感じますが、BtoBで利用する場合は非常に重要な機能です。

営業部門との連携

BtoBマーケティングはマーケティング部門のみでは完結せず、営業部門との連携が必要になります。従って、営業部門とスムーズに連携できるかどうかが重要なポイントになります。

例えば必要なリードの情報がタイムリー共有できるような、ホットリードの通知機能があれば営業マンが機会を逸することなくアクションすることができます。また、タブレットやスマートフォンなどのモバイル端末に対応していれば、社外で活動中営業マンでも容易に情報共有することができます。

さらに、営業マンの訪問時などのコンタクト履歴を直接マーケティングオートメーションに登録し上司やアシスタントと共有ができたり、営業日報の作成ができれば営業部門での利用価値も上がり、さらにシームレスにマーケティング部門と営業部門の連携が可能になります。

WEB以外のコンタクトの管理

BtoBではWeb以外でのコンタクトも多くなります。セミナーや展示会、また営業活動による接点情報もリードを管理する上では重要な情報となります。従ってWebサイトのトラッキング以外の情報もうまく統合し管理することがより成果を上げるためには必要になります。

イベントの参加データの取り込みやイベントでの営業対応状況の入力、また普段の営業活動の状況を入力すしマーケティングオートメーションに反映することができれば、リードごとにすべてのコンタクト状況に基づいた、より精度の高いスコアリングやナーチャリングを行うことが可能になります。

また、マーケティングオートメーションによっては、セミナーや展示会の申込み、参加者の管理を行えたり、メール配信機能にイベント用のテンプレートが用意されていたりするものもありますので、イベント管理の工数削減につながります。

まとめ

  • マーケティングオートメーションには、システム毎に持っている機能が違い、同じ機能でも細かな内容に差がある。
  • マーケティングオートメーションを選択する際は、個別の機能の有無やそれぞれの機能で何かできるのか、自社の使い方に合わせてチェックすることが大切である。
  • BtoBで活用する場合は名寄せや営業部門との連携、またWeb以外のコンタクトの管理についても考慮して選択すべき。

いかがでしたでしょうか。最終的に選択する場合は今回ご説明した機能面以外に、クラウド型やオンプレミス型などのシステム形態や、料金、課金体系を考慮して、自社で活用した場合に最も費用対効果が高くなるようなツールを選択してください。

  • マーケティングオートメーションツール選定ガイドブック