見込み客はゆっくり大きく育てる! リードナーチャリングで確実に顧客化する方法

リードナーチャリングとは、見込み客に対してさまざまな施策を実施して<育てていく>ことで、最終的に自社の製品やサービスを購入してもらう活動のことを言います。端的に言うと「見込み客を顧客化するための施策」であり、見込み客育成、見込み客フォローなどと呼ばれる場合があります。今回はそのようなリードナーチャリングの考え方や方法、成功のポイントについて解説します。

見込み客はゆっくり大きく育てる! リードナーチャリングで確実に顧客化する方法
リードナーチャリングとは、見込み客に対してさまざまな施策を実施して<育てていく>ことで、最終的に自社の製品やサービスを購入してもらう活動のことを言います。端的に言うと「見込み客を顧客化するための施策」であり、見込み客育成、見込み客フォローなどと呼ばれる場合があります。今回はそのようなリードナーチャリングの考え方や方法、成功のポイントについて解説します。

リードナーチャリングの目的

なぜリードナーチャリングが必要なのでしょうか。生活必需品や消耗品、定番商品などの購入する場合、対象商品の購入を判断したり比較検討したりする期間は短いでしょう。一方、最終的に購入する製品を決めるまでに多くの検討事項があるためにその検討期間も長くなる場合があります。そのような場合には、せっかく購入意思があるのにそのまま放置すればその検討期間中に他社製品を選択してしまうかもしれませんし、検討の結果下手をすれば購入自体をやめてしまうかもしれません。

リードナーチャリングでの実際の施策内容は、「すでに同種の製品の購入の意思がある見込み客との継続的な関係を構築する」こと。見込み客が抱える課題などをテーマにして継続的にコミュニケーションをとり、関係を築き上げていきます。

リードナーチャリングの流れ

リードナーチャリングは次のような手順で進めていくことができます。

自社製品の購買プロセスや顧客接点を明確にする

購入検討の期間が長い製品の場合、見込み客が実際に製品を購入するまでには多くのプロセスを経て購入に至ります。そのプロセスは購買意思決定プロセスと呼ばれ、さまざまなパターンが考案されています。1920年に提唱されたAIDMAから始まり、インターネット普及を考慮にして1995年に電通が提唱したAISASなど多様なプロセスモデルがありますので、対象の市場や製品の特性にマッチしたモデルをベースにして、どの見込み客がどのプロセスに居るのかを明確にします。

その上で各セールスプロセス上において、見込み客と自社の間にどのような接点があるのかを分析して可視化した「カスタマージャーニーマップ」を作成します。(カスタマージャーニーマップの作成が無理な場合は、セールスプロセスと見込み客との接点をまとめた一覧表のようなものでもかまいません。)

ナーチャリングのためのコンテンツを作成する

プロセスごとの見込み客との接点が明確になれば、各接点において「見込み客を後押し」するにはどのようなコンテンツが相応しいかを検討します。例えば、初期の購入検討段階であれば、製品を購入して得られるメリットなどを紹介して、まずは購入することを決めてもらうことが先決です。また、購入自体は決めているが、どこから購入するかは決めていない場合は、自社製品の競争優位性がうまく伝わるようなコンテンツが有効です。もちろん明らかに広告・宣伝だと判断できるコンテンツはナーチャリング向きではありませんので、うまく伝えることが必要です。

ナーチャリングに適したメディア

作成したコンテンツを伝える方法やメディアには次のようなものがあります。実際にどのメディアを選択するのかは、上記で作成したカスタマージャーニーマップとコンテンツの内容や特性によって判断する必要があります。

メール

BtoBでのナーチャリングで最も頻繁に活用されるのがメールです。定期的または不定期に送信するメーマガジンや、資料請求などの見込み客のアクションをトリガーにして一定期間、段階的に送信するステップメール、また、見込み客のWebサイト上での行動パターンをトレースしてそれに沿った内容を送信するシナリオメールなどさまざまな手法があります。送信するメールの目的や内容にマッチした手法を選択する必要があります。

自社Webサイトなどオウンドメディア

自社Webサイトや製品サイトなどのオウンドメディア(自社保有メディア)上で、ブログなどの形式で見込み客向けに継続的に情報提供することもナーチャリング手法としてよく用いられます。オウンドメディアを使う場合、情報が蓄積されていくことで資産化し、再利用できることもメリットです。

SNS

SNSの強みである拡散力を生かして、情報発信する方法も近年特に増えてきました。ただしSNS上ではあまり情報量を増やすことができませんので、上記の自社Webサイトなどと連携するケースも多くあります。

セミナー/ウェビナー

セミナー等は、深堀りした内容を見込み客に直接的に語り掛けることができ、購買プロセスが進み見込み度の高いリードに対して特に有効です。購買検討期間中に見込み客側もさまざまな情報をすでに得ていることが多いので、セミナー等では専門的な内容やそこでしか聞けない希少価値のある内容などをテーマにするとより効果的です。

リードナーチャリング成功のためのポイント

最後にリードナーチャリングで成功するためのポイントを検討します。

継続的・長期的なフォローが必要

リードナーチャリングは必ずしもすぐに効果が現れるものではありません。もちろん即効性のある施策も考えられますが、特に購買検討時間の長いBtoB取引や高額商品などにおいては、数カ月さらには年単位で育成していくケースもあります。従って確実に成果を上げるためには、継続的かつ長期的な施策の運用とプランニングが必要になります。

最良なコンテンツの検討

前章でさまざまな手法をご紹介しましたが、実際にどのようなコンテンツを提供していけばよいのかその一例をご紹介します。

見込み客の生活や事業に役立つ一般的な情報

直接自社製品などとは関連しなくても、見込み客にとって役立つ情報を継続的に発信することで、自社に対するロイヤリティを上げ、信頼感を持ってもらうことができます。

見込み客の生活や事業、および自社製品などに関連する専門的な情報

一方、より専門的で有用な情報を届けることで、自社が具体的なソリューション能力を有していることを訴求することができます。もちろん広告的な表現は逆効果で、客観的な情報を中心にします。ホワイトペーパーや活用・導入事例、業界動向などが代表的な例です。ある程度購入プロセスが進み、購入が具体化している見込み客に対して特に有効です。

キャンペーンや自社製品等の情報

購入を最終決定する段階の見込み客に対しては、さまざまなキャンペーン情報や、新製品や機能紹介などの情報を提供することで、最終的に自社製品の購入を促進することができます。しかし関係のない相手にとってはあまり嬉しい情報ではありませんので、品位を落とさないように頻度や表現、情報量などに気を使う必要があります。前項で紹介した「役立つ情報」の中に無理なく盛り込んでおくような方法が理想です。

まとめ

  • リードナーチャリングとは見込み客を顧客化するための継続的な施策のこと
  • BtoB取引などの購買検討期間が長い場合に特にナーチャリングの必要性が高い
  • リードナーチャリングは、見込み客の現在購買プロセスや自社との接点を明確にした上で、状況に適したコンテンツを提供していくことが必要
  • 継続的かつ長期的なアプローチがリードナーチャリング成功のポイント
リードナーチャリングの結果は、見込み客をスコアリングすることでモニタリングし、見込み度の高いリードは営業に引き渡すことなどによって適宜クロージングできるような流れを社内であらかじめ作っておきましょう。
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