送る意味がない!?「来場お礼メール」の目的・戦略とは
展示会でたくさんの名刺≒見込み客リストを手に入れると思います。その後、これまでの慣例だからという理由で、形式だけの、例えば、挨拶だけのような「お礼メール」を送っていませんか。もしそうならば、そのような目的、戦略のないお礼メールは営業活動に大して貢献していないので、ここであらためて目的・戦略についていっしょに考えてみましょう。
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展示会でたくさんの名刺≒見込み客リストを手に入れると思います。その後、これまでの慣例だからという理由で、形式だけの、例えば、挨拶だけのような「お礼メール」を送っていませんか。もしそうならば、そのような目的、戦略のないお礼メールは営業活動に大して貢献していないので、ここであらためて目的・戦略についていっしょに考えてみましょう。
まず考えていただきたいことですが、展示会の後、見込み客のもとには、他の展示会参加企業からもお礼メールが多数届いています。そのような大量のメールの中で、他の企業と同じような形だけのお礼メールを送っているだけでは、見込み客にスルーされてしまい次のステップに繋げることは難しいでしょう。では、具体的にどのような目的・戦略で送るのか掘り下げていきます。
お礼メールは「今すぐでない」80%の見込み客へのアプローチに有効
BtoB企業では展示会後のお礼メールをどのような目的、戦略を持って利用すべきなのでしょうか。
そもそも、お礼メールを送る対象の人はどのような人達なのでしょうか。これらを説明するために、まずは、展示会において一般的なBtoB企業が獲得する名刺リスト≒見込み顧客リストの属性を確認しましょう。
以前の記事「展示会の効果を最大限高める方法」において、展示会においてBtoB企業が集めた名刺リストの中で、実際に営業が電話アポイントをかけるなどの営業フォローを行う「今すぐ」の見込み客は20%であるとご紹介しました。さらに、実際の営業活動に直結する見込み客は「今すぐ」の20%の見込み客のうちの30~40%で、全体で見るとわずか6~8%になると言われています。
その理由として、展示会の来場者のほとんどが購入、契約など実際の案件の成立を目的に来場しているわけではなく、単なる情報収集を目的に来場しているからです。
しかし、営業フォローを行う対象でないからといって、残りの「今すぐでない」80%の見込み客に対して何も対策を打たないのは大きな機会損失です。「今すぐでない」だけであって、今後のやり方次第で「今すぐ」の見込み客になる可能性も大いにあるからです。その「今すぐ」の見込み客を増やすための最善策を尽くしましょう。そのために、この後ご紹介するお礼メールを戦略的に使うことをおすすめします。
お礼メールはリードナーチャリングの最初のステップ
お礼メールは見込み客を育成するリードナーチャリング(Leadリード≒見込み客 Nuturingナーチャリング≒育成する)の手段として有効なメールマーケティングの最初のステップとして考えるべきです。
メールマーケティングは少ない労力で多くの見込み客に対してアプローチできるところ、そして電話アポイントのように見込み客の時間を奪わないので、見込み客から嫌われるおそれが低いところが良い点です。
このメールマーケティングでは半年から数年の中長期にわたって「今すぐでない」80%の見込み客に有益なコンテンツをメールを通して提供しつづけ、当初は購入に結びつく可能性の低い見込み客に対し、時間をかけて育て、営業に引き渡せる有望な「今すぐ」の見込み客へと育成する目的があります。
「今すぐでない」見込み客は「今すぐ」の見込み客とは異なり、今すぐ商品の購入、契約をするわけではないので決して強引な売り込みが効果的とは言えません。時間をかけて定期的にアプローチしていく必要があります。そこで、そのメールマーケティングの最初のステップとなるのが展示会のお礼メールなのです。
また、お礼メールを送る際に気をつけたいことですが、「今すぐでない」80%の見込み客には、自社製品・サービスに全く興味のない人、または競合他社の人も紛れ込んでいる可能性があり、そういう人にメールマーケティングを実施し続けてもプラスになるどころか自社のイメージを悪くしかねません。
出来れば、展示会で来場者にアンケートをとり、お礼メールを配信して良いかどうか聞いておくと良いでしょう。難しい場合は、せめて、配信前に、明らかに関係のない人は除外するようにしましょう。そうすることで、メールマーケティングを行うべき対象を絞り込みます。
お礼メールを書く上でのポイント
その後のリードナーチャリングにつなげる上で、お礼メールはどのようなものが良いと言えるのでしょうか。以下にポイントをあげます。
お礼メールを書く上で抑えておくべきポイント
シンプルに、しつこくならないようにする
お礼メールはシンプルに書くことが鉄則です。長すぎる文章は最後まで読まれる可能性が少ないです。伝えたい要点を簡潔に書くようにしましょう。
展示会での自社商品を思い出させる
お礼メールの文中で、展示会の自社商品を見込み客に思い出してもらうことが重要です。少しでも商品に興味があれば購買を検討する、そこまで行かずとも今後メールで配信する情報に目を通してもらう動機作りになるからです。
今後有益なコンテンツを配信する旨を伝える
お礼メールのみで終わるのではなく、今後もコンテンツを配信する旨も伝えましょう。お礼メールはあくまでも今後中長期で続くメールマーケティングの最初のステップです。
それでは上記ポイントに則ったお礼メールの参考例をご紹介します。
お礼メール参考例
件名:展示会「○○○」来場のお礼
○○○株式会社
○○○部○○○課
○○様お世話になっております。○○○社の○○です。
先日はご多忙な中、展示会「○○○」において、当社○○○ブースに
お立ち寄りいただきまして、誠にありがとうございました。当社の展示商品○○○はいかがでしたでしょうか。
○○○は最新の技術に基づき
…….(ユーザーにとってその商品がどのように役立つのかという観点からの商品説明をシンプルに書く)
今後も商品に関する情報を当社Webサイトにてどんどん発信していきたいと
考えております。《当社Webサイト》
◎○○○商品名
〈URL〉
◎○○○商品名
〈URL〉何か気になる点がございましたら、いつでもお気軽にご連絡くださいませ。
それでは、今後ともよろしくお願いいたします。○○○株式会社
○○○部○○○課
○○(自分の氏名)
電話番号
4.まとめ
お礼メールを、中長期にわたるリードナーチャリングの最初のステップとして位置づけた場合、どのような文面のメールを送るべきかは自ずと見えてくるでしょう。
前述したことの振り返りになりますが、お礼メールという1回限りのコンタクトで終わるわけではありません。
次のステップにつなげるためにお礼メールは
- 文面はシンプルに、しつこくならないようにする
- 展示会での自社商品を思い出させる
- 今後、有益なコンテンツを配信する旨を伝える
これらのポイントを抑えてお礼メールを書くと良いでしょう。