「シナリオグラフ」でさまざまなストーリーを生み出そう

顧客が製品を知ってから購入に至るまでの体験を旅に例える「カスタマージャーニー」は、購入までのストーリーを考えることでより多くの方を購入に導く考え方です。
このようにマーケティングにおいてもストーリー性を重視しなければならない場面があります。単発のアイデアを広げていく方法は比較的多く知られていますが、そのような方法ではストーリーを考えるのは少し難しいかもしれません。
その際に役立つのが「シナリオグラフ」です。シナリオグラフを活用することで、今まで思いつかなかったようなストーリーを発想することが可能です。本稿ではシナリオグラフとはどのようなものか、また、どう活用すればよいのかを解説します。

「シナリオグラフ」でさまざまなストーリーを生み出そう

顧客が製品を知ってから購入に至るまでの体験を旅に例える「カスタマージャーニー」は、購入までのストーリーを考えることでより多くの方を購入に導く考え方です。

このようにマーケティングにおいてもストーリー性を重視しなければならない場面があります。単発のアイデアを広げていく方法は比較的多く知られていますが、そのような方法ではストーリーを考えるのは少し難しいかもしれません。

その際に役立つのが「シナリオグラフ」です。シナリオグラフを活用することで、今まで思いつかなかったようなストーリーを発想することが可能です。本稿ではシナリオグラフとはどのようなものか、また、どう活用すればよいのかを解説します。

アイデア創出時の課題

ビジネスにおいては、さまざまな理由で「新しいアイデア」が必要な場面に遭遇します。新規事業開拓や新製品の開発などの大きなテーマはもちろん、製品やサービスの改善案や新たな販売ルートの開拓、広告の内容やコスト削減まで、実に多くの課題解決に対してアイデアが必要です。

一人またはグループでアイデアを出す手法は、対象となる課題の特性などによってさまざまなものが提唱されています。最も一般的なものはグループで行うブレインストーミングでしょう。ブレインストーミングは、各人が思いついたアイデアやキーワードなどをどんどん出して、アイデアを集めることを最優先する手法です。ポイントは人の出したアイデアに対して批判や評価をしないこと。ひとまず出てきたアイデアを受け入れて、その後の工程で、出てきたアイデアを評価します。

ブレインストーミングはやり方が簡単で、大抵の場合、一定数以上のアイデアを集めることができます。しかし、目的と違ったものも多く出てくる場合があることや、会話の流れによってはアイデアの方向が偏ってしまうことなどのデメリットがあります。

シナリオグラフとは

ブレインストーミングの場合は、特に制限を設けずにとにかくアイデアを出すことが重要でした。しかし、自由に発想することが必ずしも新しいアイデアをどんどん生み出すとは限りません。反対に、さまざまな条件付けをした上で、強制的にアイデアを出す手法が多く考案されています。そのようなアイデア発想法の1つがシナリオグラフです。

シナリオグラフとは、「誰が(Who)」「いつ(When)」「どこで(Where)」「何を(What)」の4つのWの内容をつなげてストーリーを作り上げていくアイデア発想法です。発想のテーマとなる4つWと、そのそれぞれ内容を強制的に紐づけていくことで、今まで考えつかなかったようなアイデアやストーリーを生み出すことが可能になります。

しかし、4Wで考えるという条件を課するために、ブレインストーミングのようにどのような課題にでも適用できるようなフレームワークではなく、適用できる課題がある程度限定されます。

シナリオグラフの作成方法

続いて、具体的な作成方法がどのようなものなのかを見ていきましょう。まず、課題となっているシナリオグラフの対象となる場面を具体的に決定/設定します。

仮に新製品開発での製品の利用シーンを考える場合は「A製品の利用シーン」などのようにテーマを設定します。そして、「誰が、いつ、どこで、何を」の4つのWを縦軸に置いて表形式にし、それぞれのWに対する内容をその右側に列記していきます。例えば「誰が」の行の右に、「健康な男性」や「企業の経理部門」「会社経営者」などが記入されます。テーマとは全く無関係なものを記入しても意味がありませんが、想定されるものばかりではアイデアが広がりません。また、対象が少なすぎてもシナリオに膨らみが出ませんので、通常は5つ以上記入します。

続いてその他の縦軸の各項についても同様に右側に内容を記入して全項目を埋めます。出来上がったら、上から順に各行の内容を無作為につなげてストーリーを作成します。この際、ひとまずテーマとの関連や実現性などを考慮せずに、ランダムに選択することで通常は考えられないような突飛なストーリーが生まれてきます。

シナリオグラフのメリットと活用のコツ

シナリオグラフのメリットは、想定外のストーリーを生み出すことが比較的簡単にできることです。もちろん内容や選択方法によっては平凡な結果になる場合もありますが、内容の出し方にさえ慣れてくればさまざまな面白いアイデアを生み出すことができます。また、シナリオグラフで作成したストーリーを素材にして、さらにアイデアを広げていくことができるのもシナリオグラフの特徴でしょう。

シナリオグラフを効果的に活用するには、今までの常識にとらわれずに発想を豊かにすることが重要です。まずは実現性などを無視してインパクト重視で内容を考えてみるのが良いでしょう。また、各内容は5つ以上と申し上げましたが、ある程度多い方が組み合わせも多くなり、多彩なアイデアが出てきます。さらに、1つではなく複数のストーリーを考えることもアイデアを広げるのには効果的です。

マーケティングへの応用

シナリオグラフのマーケティングへの応用は、さまざまな例が考えられます。まず、新製品開発や製品の市場開拓のために、新たな利用シーンや訴求ポイントなどを考える場合。また、製品の安全性を高めるアイデアを考えたり、イベントの企画を考えたりする場合。さらに、WebマーケティングやSNSを活用した各種プロモーションのアイデアを考える場合など、色々な目的でシナリオグラフを活用することができます。

まとめ

●シナリオグラフは、条件付けした状態で強制的にアイデアを生み出す手法

●「誰が、いつ、どこで、何を」の4つの条件それぞれに当てはまる内容を考え、それらをさまざまなパターンで組み合わせることで新しいストーリーを生み出すことができる

●シナリオグラフを効果的に活用するためには、従来の常識にはとらわれずに発想することが重要

●新規場開発や製品のプロモーションなどマーケティング領域でもさまざまな応用が可能

シナリオグラフをうまく活用するには、4Wに対する内容を考える際に、どこまでの範囲の内容を許容するかという点がポイントになります。無関係なものまで許してしまうと課題の解決につながりにくくなりますが、かといって限定し過ぎると新たな発想が生まれません。何度か試行錯誤してみて、ちょうど良い頃合いを見つける工夫が必要となるでしょう。

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