「エクスカーション」で思いがけないアイデアが生まれるかも?

アイデアを出す方法にはさまざまな手法が試されています。自由に連想したり、発想を転換したり、また、色々な異なる視点から考えてみたりするような方法があります。今回紹介するのは、「物事の関連性」に着目してアイデアを発想する「エスカーション」です。エクスカーションは、行き詰まった時でもユニークな発想が生みだすことができるのが特長。どのようにアイデアを生み出していくのか、詳しく解説します。

「エクスカーション」で思いがけないアイデアが生まれるかも?

アイデアを出す方法にはさまざまな手法が試されています。自由に連想したり、発想を転換したり、また、色々な異なる視点から考えてみたりするような方法があります。今回紹介するのは、「物事の関連性」に着目してアイデアを発想する「エスカーション」です。エクスカーションは、行き詰まった時でもユニークな発想が生みだすことができるのが特長。どのようにアイデアを生み出していくのか、詳しく解説します。

エクスカーションの具体的な手順

エクスカーションは具体的には次のような手順で進めます。

●アイデアを考えたい課題やテーマをまず設定する

●テーマに対して「ある物事」を決める

●ある物事から連想される特徴やキーワード、イメージなどを書き出す

●書き出したものに関して、テーマと関連するアイデアを書き出す

エクスカーションには、上記の「ある物事」の種類によって、「動物エクスカーション」と「職業エクスカーション」、そして「場所エクスカーション」の3種類があります。

エクスカーションの例

説明だけではやり方が少し分かりにくいかもしれませんので、「動物エスカレーション」で具体例を挙げてみます。まずテーマを「ブログのテーマを考える」、ある物事(この場合動物)を「パンダ」としてみます。

ますパンダから思いつくものをランダムに挙げてみます。

●人気がある

●白と黒のコントラスト

●愛嬌がある

●故郷は中国

●希少生物

●笹が好物

次の上記に対してテーマと関連するアイデアを考えてみます。

●人気がある→人気のあるサイトのブログテーマを調査する

●白と黒のコントラス→一度取り上げたテーマの反対のテーマを考えてみる

●愛嬌がある→真面目なテーマだけではなく、たまには息抜きになる話題を取り上げてみる

●故郷は中国→中国ではどのようなブログが人気なのか調べてみる

●希少生物→貴重で価値の高い情報とは何なのか、もう一度考え直してみる

●笹が好物→たまには自分の好きな物事についても書いてみる

このように、考えたいテーマと一見関連のない物事の性質などを関連付けてアイデアを広げる方法がエクスカーションです。

エクスカーションのメリットとデメリット

エクスカーションには次のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

●意外性のあるアイデアが得られる

●グループでのアイデア出し作業でも、一人のアイデア出しでも活用できる

●組み合わせ次第では、無限に近いアイデアを出すことも可能

●他のアイデア発想法で作業していて行き詰まってしまった場合の打開策として用いることができる

デメリット

●実現が難しいアイデアが出る

●表面的で深みのないアイデアが多くなる可能性がある

マーケティングへの応用例

動物、職業、場所の3種類のエクスカーションで、マーケティングへの応用ができないか考えてみましょう。

動物エクスカーションの応用例

テーマを「新しい顧客層を見つける、または新しい市場を開拓する」というマーケティング的な課題とし、対象の動物を「猫」にして、エスカレーションを試してみましょう。

猫の特徴やイメージは以下のようなものが考えられます。

●単独行動を好む

●清潔好き

●好奇心が旺盛

●警戒心が強い

●自由で気まま

これらのキーワードから、「新しい顧客層を見つける、または新しい市場を開拓する」に関連するアイデアを出してみると次のようものがあります。

●単独行動を好む→いわゆる「お1人様」へ訴求する方法がないか考えてみる

●清潔好き→今までにない、清潔感を訴求できないか考える

●好奇心が旺盛→対象製品のどのような点に消費者が興味を持つのか、または持たないのか調査する

●警戒心が強い→購買時の障壁を下げる方策を考える

●自由で気まま→どのような気分の時に対象製品を使いたくなるのか、消費者の気持ちになって改めて考える

職業エクスカーションの応用例

テーマは同じく「新しい顧客層を見つける、または新しい市場を開拓する」として、今度は職業を「消防士」として考えてみましょう。

消防士から連想するイメージ等には以下のようものがあります。

●危険な現場での作業

●マッチョ

●正義感が強い

●迅速に現場に到着

●赤い消防車

これらから、テーマに関連するアイデアを考えると次のようなものがあります。

●危険な現場での作業→製品を使用する際の安全性を高めることができないか

●マッチョ→健康促進などの面で訴求できないか

●正義感が強い→対象製品の良い面をもっと強調できないか

●迅速に現場に到着→サプライチェーンのスピードをさらに速めることができないか

●赤い消防車→子どもや若年層への直接または間接的な訴求ができないか

場所エクスカーションの応用例

指定する場所は「箱根」などの特定の場所でも、「デパート」や「交番」などのカテゴリー的なものでもかまいません。ここでは場所を「東京駅」にして、テーマは前回と同様とします。まず、東京駅からイメージされるものとしては、次のようなものがあるでしょう。

●人が多い

●多くの鉄道線が乗り入れ

●日本の中心的な駅

●構内の店舗が充実

●駅舎が歴史的建造物

そこから市場開拓のヒントを得ると下記が考えられます。

●人が多い→今よりさらに規模の大きな市場に打って出ることはできないか

●多くの鉄道線が乗り入れ→販売チャネルを多様化できないか

●日本の中心的な駅→海外進出の検討

●構内の店舗が充実→顧客がより手軽に購入できる手段はないか

●駅舎が歴史的建造物→製品にストーリー性を持たせて新たな顧客層に訴求できないか

まとめ

●エクスカーションとは、「解決したい課題」などと、それとは無関係な「ある物事」との関連性に着目してアイデアを発想する手法

●「ある物事」の種類によって「動物エクスカーション」と「職業エクスカーション」「場所エクスカーション」の3種類がある

●意外性のあるアイデアなどが発想できるメリットがある反面、実現性の乏しいアイデアが出てきてしまうデメリットがある

エクスカーションを活用することで、他のアイデア発想法を使ってどうにも行き詰まってしまう場合に、状況が打開できる可能性があります。しかし、折角の意外性のあるアイデアでも、現実味がなくては課題解決のためには採用が難しいかもしれません。そのようなエクスカーションのデメリットを解消するために、他のアイデア発想法などを用いて出てきたアイデアの実現性を検討する方法も採られます。