非常識をアイデアにする「アナロジー発想法」

アイデア発想法にはさまざまなタイプのものがあります。今回ご紹介するのは、「逆転の発想」と「類似・類比の発想」を組み合わせて新しいアイデアを出す、方法自体がユニークな「アナロジー発想法」というものです。いろいろな発想法を試してみたがなかなか斬新なアイデアが出てこない場合などにぜひ試していただきたいのがこのアナロジー発想法。その内容を、具体的な手順から適用例まで交えて解説します。

非常識をアイデアにする「アナロジー発想法」

アイデア発想法にはさまざまなタイプのものがあります。今回ご紹介するのは、「逆転の発想」と「類似・類比の発想」を組み合わせて新しいアイデアを出す、方法自体がユニークな「アナロジー発想法」というものです。いろいろな発想法を試してみたがなかなか斬新なアイデアが出てこない場合などにぜひ試していただきたいのがこのアナロジー発想法。その内容を、具体的な手順から適用例まで交えて解説します。

アナロジー発想法とは

1つのテーマから、さまざまなユニークな発想を生み出すのはなかなか難しいものです。そのような場合に一度試してほしいのがアナロジー発想法です。

アナロジー発想法は、物事の常識を一旦逆さまにして、そこから発想を広げていく方法。常識に囚われないユニークなアイデアが生まれる可能性があります。似たものに「アナロジー思考法」というものがありますが、それとは別物です。アナロジーには類推や類比などの意味がありますが、アナロジー思考法は、特徴や性質の共通点を見つけ出し、それを元に、あるものから他のものへ適用範囲を広げることでアイデアを広げていく方法です。

詳しくは後述しますが、アナロジー発想法でも類推・類比の考え方は使うのですが、一度最初のテーマから発想を逆転させてからアナロジーを使うので、通常の発想では生まれにくいアイデアを得ることが可能になります。

アナロジー発想法の具体的な手順

考え方だけではアナロジー発想法のイメージは湧きにくいと思いますので、早速具体例的な手順をご説明しましょう。アナロジー発想法は次のようなステップで進めていきます。

テーマを設定する

改良や改善したい商品/サービスなど、課題解決のためのアイデアがほしい対象を設定します。架空のものをテーマにしてしまうと、後々課題解決に結びつかない場合がありますので具体的なものを対象とします。

テーマに対して常識的に考えられる機能や特徴を列挙する

テーマに対して、一般的に考えられる特徴や機能などを列挙していきます。良い特徴だけではなく、悪い特徴を挙げても構いません。

常識的な機能や特徴を反転させて逆設定にする

上記で挙げた特徴などの内容を反転させて逆の内容にします。「安価」を「高価」にするなど、単純な反転で問題ありません。

逆設定により生じた問題点を抽出する

元の特徴などを反転させてしまうので、何らかの無理が発生したり問題が生じたりするはずです。それを明確にします。

問題点を解決するキーワードを考える

上記の問題点に対して解決策を考えます。直接の解決策が見つからない場合は、解決のための考え方やヒントなどでも構いません

解決のためのキーワードが異分野などでのメリットになるようなものがないか探索する

キーワードを元に異分野との類比=アナロジーを考えます。ここは少し発想力が求められる作業かもしれません。

キーワードやアナロジーから新たなアイデアを発想します

出てきたキーワードやアナロジーと、元のテーマを組み合わせて、新たなアイデアを発想します。キーワードなどが「本来意味していること」などに着目するとアイデアが出やすいでしょう。

通常これらの作業は、事前に合計横6列の表を作成しておき、上記の「特徴・機能」から「アイデア」までの内容を左列から記載していくことで、作業を進めていきます。複数の特徴・機能は行方向に追加していき、各特徴・機能に対する逆設定~アイデアの内容を、上記同様に右側の列に追記していきます。

具体的な適用例

具体的な例を考えてみましょう。栄養ドリンクの新商品のアイデアをアナロジー発想法で考えてみます。テーマはもちろん「栄養ドリンク」になりますので、これに関する機能や特徴をまずざっと挙げていきましょう。

「元気が出る」「仕事がはかどる」「効果があるかどうか分からない(確証がない)」「普通の清涼飲料水よりも高価」「成分が重要(成分を見てから買う)」、「美味しくない(または、美味しい)」などが考えられます。続いて、「美味しくない」を対象に、手順に従って展開させていくと、次のような例が考えられます。

特徴など:「美味しくない」

逆設定:「美味しい」

問題点:「別の飲料でもよい、別の飲料のほうがいい」

解決のキーワード:「味を選択できる」

アナロジー:「さまざまな味やフレーバーがある飲料(例えば清涼飲料水、お酒類などがある)」

解決のアイデア:「同じ成分で違う味やフレーバーの栄養ドリンク」

上記はあくまで一例ですが、どのように作業を進めていくのかのイメージは持っていただけたのではないかと思います。

まとめ

●対象の特徴などから始めて、逆転の発想や問題点の抽出、そしてアナロジーなど、さまざまな手順を経て新たなアイデアを創出する

●アナロジー発想法は、逆転の発想と類推や類比を組み合わせて、今までにないアイデアを創出するための発想法の1つ

●具体的には、「テーマ設定」「機能や特徴の列挙」「逆設定」「問題点の抽出」「解決のキーワード出し」「アナロジー=類比を探す」「新たなアイデアの発想」という手順を踏む

アナロジー発想法は、発想法の中でも工程数が多く若干複雑な方法かもしれません。仮のテーマなどを用いて少し練習してから本番に臨んだほうが良い結果が生まれでしょう。

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