押してもダメなら引いてみる!プッシュ型とプル型施策をうまく使い分けるための勘どころ

プッシュ型・プル型とはマーケティングや営業活動のアプローチの仕方を区別したもの。プッシュ型とは、企業から見込み客などに向かって積極的に働きかける方法、プル型とは見込み客などからの自社に対するアクションを促す方法です。譬えで言うと、プル型は店舗を開いてお客様の来店を待つやり方、プッシュ型はお客様の家や会社まで赴いて商品を売るやり方です。今回はプッシュ型とプル型の違いとそれぞれの使いどころについて解説します。

押してもダメなら引いてみる!プッシュ型とプル型施策をうまく使い分けるための勘どころ
プッシュ型・プル型とはマーケティングや営業活動のアプローチの仕方を区別したもの。プッシュ型とは、企業から見込み客などに向かって積極的に働きかける方法、プル型とは見込み客などからの自社に対するアクションを促す方法です。譬えで言うと、プル型は店舗を開いてお客様の来店を待つやり方、プッシュ型はお客様の家や会社まで赴いて商品を売るやり方です。今回はプッシュ型とプル型の違いとそれぞれの使いどころについて解説します。

プッシュ型の特徴

プッシュ型は、不特定多数に向けて一斉に情報発信することができるので、認知度向上やブランディングなどに特に有効だと考えられます。一気に施策を実行するので一時的なコストは高くなります。プッシュ型営業やマーケティングには次のような特徴があります。

ターゲティングにより営業成果は大きく異なる

プッシュ型営業では、見込み度が高いターゲットに対してアプローチできる場合は、非常に効率良く成果を上げることができますが、逆に見込み度の低いターゲットに対してやみくもにアプローチした場合は、極端に効率が悪くなります。従ってプッシュ型営業において成果を上げるためには、最初のターゲティングが大きなポイントになります。

短期的な成果が出やすい

プッシュ型の場合は自社が必要なタイミングで必要な量のアプローチを短期間で行うケースが多いので、比較的早いタイミングで成果を期待することができます。

自社のイメージを悪くする恐れがある

あらかじめターゲティングした見込み客に対してアプローチした場合でも、相手は自社とのコミュニケーションを特に望んだ訳ではありません。そのため、場合によっては「売り込み」と解釈されて悪いイメージを持たれてしまう恐れがあります。これは電話などに限らず、DMやメールマガジンでも同様です。例えばメールマガジンでも、あまり立て続けに送信してしまうと迷惑メールと同じような扱いを受けることになります。

プッシュ型の手法

プッシュ型には具体的に次のような手法があります。
  • CM、DM、メールマガジン、店舗での接客・Web接客、テレマーケティング、訪問営業など

プル型の特徴

プル型は、見込み客側から問い合わせやWebサイト訪問、資料請求、申し込みなどのアクションを起こさせるような営業・マーケティング方法です。プッシュ型と違い、ある程度興味のある対象にのみ響く施策ですので、大々的な認知度向上などには向きません。しかし、着実に販売に結び付くような施策を採用することができます。プル型の営業やマーケティングには次のような特徴があります。

良好な関係を築きながら施策を実行できる

プッシュ型のようにこちらから直接アプローチすることがないので、悪いイメージを持たれることはありません。逆に、見込み客が欲しがる情報を提供する「コンテンツマーケティング」などの手法を駆使するので、むしろ良い印象を与えることになります。

潜在的な見込み客を獲得できる

こちらから見込み客を探すのではなく、相手から見つけてもらう施策ですので、自社が認識していなかった見込み客を獲得できる可能性があります。

成果が出るまでに時間がかかる

相手の反応を見る時間が必要になるので、プッシュ型よりも成果が出るまでに時間がかかります。プル型の施策を立案する場合は、効果が現れるまである程度の時間を要することを前提とした方がよいでしょう。

リードの質が落ちる場合がある

潜在的な見込み客を獲得できる反面、こちらから見込み客を選ぶことができませんので、施策内容によっては質(見込み度合など)が低い見込み客を集めてしまう恐れがあります。そのような場合はリードクオリフィケーションによって見込み度を選別するなどの必要性が生じます。

プル型の手法

プル型には具体的に次のような手法があります。
  • リスティング広告、SEO、コンテンツマーケティング、展示会/セミナーなど

プッシュ型とプル型の使いどころ

実際のマーケティング施策や営業活動においては、上記のようなプッシュ型とプル型の特性を理解した上で、うまく使い分けるかもしくは組み合わせることで施策全体の効果を向上させます。

プッシュ型が効果的なケース

CMやDMを使った新商品などの認知度向上や、ブランディングにはプッシュ型を活用するのが効果的でしょう。また、プッシュ型営業の場合は見込み客と直接コミュニケーションできるので、高額商品や競合商品との差別化要因が分かりにくい商品を販売する際などに効果的です。

プル型が効果的なケース

プル型の場合は、見込み客から積極的に自社を選んでもらう必要があるため、ある程度商品や企業の認知度がある場合に有効です。また、自分の意志で選択しやすい、比較的安価な商品の方が向いています。ただしコンテンツマーケティングの手法などを用いて、中長期的に見込み客と信頼関係を構築できるのであれば、高額商品でも十分な効果を出すことができます。

プッシュ型とプル型の相乗効果を狙う

実際の施策では両者をうまく組み合わせるケースが多くなります。新商品発売時のプロモーションを例にすると次のようなイメージになります。
  • まず発売時にCMなどで認知度向上を図ります。<プッシュ>
  • ある程度認知度が上がれば次はリスティング広告で、資料請求やキャンペーンなどに誘導して同商品に興味のある見込み客の情報を収集します。<プル>
  • 情報収集した見込み客に対してメールマガジンを発行してさらに興味喚起します。<プッシュ>
  • メールマガジンに対する反応が良い見込み客をセミナーや展示会に誘導します。<プル>
  • セミナーや展示会来場者に対して営業が電話でアプローチします。<プッシュ>

まとめ

  • プッシュ型施策は、認知度向上などに向いており、短期的な成果が出やすい代わりにターゲティングにより大きく成果が異なる場合がある
  • プル型施策は、良好な関係を築きながら施策実行できたり潜在的な見込み客を獲得できたりする反面、成果が出るまでに時間がかかる場合がある
  • プッシュ型は認知度向上の他にブランディングや高額商品の販売などに向いており、プル型は比較的安価な商品の販売や中長期的な施策に向いている
実際のマーケティング施策や営業活動では、プッシュ型とプル型の特性を理解した上でその場に応じて使い分けたり、効果的に組み合わせたりすることで施策の効果を最大限発揮できるようにしましょう。
  • 製造業BtoB企業のためのメールマーケティングガイドブック