Web広告は多彩なメニューが用意されており、広告を管理する基準もさまざまです。今回は、そのような多彩なWeb広告を効率良く運用するために知っておかなければならない必須用語「インプレッション」と「CPM（Cost Per Mille）」を解説します。

インプレッションとCPM

インプレッションとは、WebサイトやSNS上に広告が表示される回数を表します。そしてCPMは、対象のWeb広告がWebサイトなどに表示される1,000回あたりの単価を表します。従ってCPMはインプレッション単価と呼ばれる場合もあります。

1,000回を1単位としているのは、ただ1回表示されただけでは中々広告効果の測定が難しく、ある程度まとめた方が測定や管理がしやすいからです（Cost Per MilleのMilleはラテン語で1,000を意味します）。CPMは、広告費÷広告の表示回数×1,000（回）で計算でき、5万円の広告費で100万回表示された場合のCPMは50円（50,000÷1,000,000×1,000）になります。

デジタルマーケティングでは似たような用語をよく見掛けますが、混同しないようにCPMに似た用語を確認しておくと次のようなものがあります。

●CPC（Cost Per Click）：クリック単価。インプレッション単位のコストではなく、クリックされた場合の単価

●CPA（Cost Per Acquisition、またはCost Per Action）：コンバージョン単価。コンバージョン1件のあたりの単価

CPM課金方式のWeb広告

紙媒体の広告は、一般的に掲載場所や大きさ、期間などにより料金が決まります。一方Web広告の場合は、多彩な料金形態や課金方法などから選択することができます。もちろん対象の広告形態や種類によって選択できる料金形態に制約がありますが、Web広告のメリットの1つが、そのような料金形態の選択肢が多いこと。そこで選択可能な料金形態の1つがCPMによる課金方式です。CPM課金方式は、対象の広告が表示された場合に課金される方式で、表示回数（＝インプレッション）によって広告料金が決まります。

CPM課金方式は、特定エリアに表示される「ディスプレイ広告」や、特定のキーワードを検索した際に表示される「リスティング広告」などで主に採用されています。

CPM課金方式のメリット

続いては、どのような場合にCPM課金方式が有効なのか、CPM課金方式のメリットを確認していきましょう。

多くの消費者の目に留まりやすい

CPM課金方式では、設定した広告予算に対して最多数表示されるように調整されます。従って予算次第でより多くのひと目に触れることができるというメリットがあります。比較的自由にデザインできるディスプレイ広告などでは、出稿者側が消費者へ届けたいメッセージを直接広告内に盛り込むことができるので、自社Webサイトなどへ誘導できなくても、広告だけで必要な情報やメッセージを消費者等に届けることも可能です。

クリック数を増やすことに集中しやすい

クリックされた数で費用が変わらないため、費用を気にせずに自社Webサイトなどへ誘導するような内容を製作することに集中できます。多くのユーザーに広告をクリックしてもらい、自社Webサイトへ誘導することで、余分なコストをかけずに広告効果が上がります。

計画的に広告運用ができる

インプレッションはある程度予測がつきやすいのですが、クリック数はさまざまな要因で大きく変化する場合があり、予測がつきにくいところがあります。クリック数に左右されず、インプレッションのみで費用が決まるCPM課金方式なら、費用の見込みが立てやすく、計画的に運用できます。

CPM課金方式の注意点

反対に、CPM課金方式で運用する際の注意点も確認しておきましょう。

クリックされなくても費用が発生する

CPM課金方式ではクリックされてもされなくても表示されるだけで費用が発生します。そのため、自社Webサイトなどに誘導することが主な目的の場合は、逆に費用対効果が悪くなる場合があります。

広告効果が把握しにくい

CPM課金方式では、対象のWebサイトでその広告が表示された時点で、インプレッション数としてカウントされます。例えばそのサイトの下部に広告が表示されたとしても、下までスクロールせずに別サイトへ移動した場合は消費者の目には触れません。インプレッションは「表示された回数」であり、実際に「見られた回数」ではありませんので広告効果を細かく把握するための指標としては若干精度に欠けるところがあります。

まとめ

●インプレッションはWebサイトなどに広告が表示される回数、CPMは対象のWeb広告が表示される1,000回あたりの単価のこと

●対象の広告が表示された場合に課金されるCPM課金方式には、人の目に留まりやすい、計画的に広告運用できるなどのメリットがある

●反対に、クリックされなくても費用が発生することや広告効果が把握しにくいことに注意を払う必要がある

CPM課金方式は、特に認知度向上やブランディングの際に費用対効果が高くなる方式です。申し込みなどを目的とした広告ではCPC（クリック単価）による方式の方が有利になる場合が多いので、ケースバイケースで最適な方式を採用しましょう。