アフィリエイト広告とリスティング広告は、Web広告の中でも非常に多く利用されている広告です。両者とも、新たな見込み客を自社のWebサイトなどへ誘導するためのものですが、頻繁に利用されているということはそれだけ効果があるということでしょう。今回はそれらの広告がどういったものなのか、また両者の違いにつて解説します。

アフィリエイト広告とリスティング広告とは

少し似ているところもあるアフィリエイト広告とリスティング広告ですが、まず初めに、両者がどういう広告なのかを確認しておきましょう。

アフィリエイト広告

アフィリエイト広告は、アフィリエイターやWebメディアなどが作成したWebサイト（主にブログや比較サイト、商品紹介サイトなど）やSNS上に広告が表示されます。その広告をクリックした後に商品やサービスの購入があった場合に、広告料金がアフィリエイターなどに支払われる仕組みです。

最終的に購入や申込みに至ったときに初めて広告料金が発生するように設定されているケースが多く、そのため成果報酬型広告と呼ばれる場合もあります。（ただし、成果報酬型広告と呼ばれるものすべてがアフィリエイト広告ではありません）

アフィリエイターなどと直接契約するのではなく、間をASP（アフィリエイト・サービス・プロバイダー）が仲介します。広告主とアフィリエイターの双方がASPに広告の取り扱いや出稿の申し込みを行うことで取引が成立します。ASPは、取引の仲介だけではなく、アフィリエイト広告の仕組みも同時に提供します。

リスティング広告

リスティング広告は、検索連動型広告とも呼ばれ、検索エンジンを使って特定キーワードで検索した場合に、検索結果画面の所定の場所に表示される広告です。現在国内では、主にGoogleとYahoo!が提供しています。リスティング広告では、表示された広告がクリックされた段階で課金され、広告料金が発生する仕組みを採用しています。

リスティング広告は入札制を採用しています。特定キーワードに対する広告単価を入札し、その入札価格と広告の質を評価した広告ランクによって表示位置が決まります。従って、広告主の希望通りの位置にいつも自社の広告を表示できるわけではありません。条件によっては、まったく表示されないというケースも発生します。

アフィリエイト広告とリスティング広告の違い

続いて2つの広告が具体的にどのような点で異なるのかを見ていきましょう。

掲載場所

前述のとおりアフィリエイト広告の場合は、アフィリエイターなどが作成したWebサイトやSNS上に広告が表示されます。従って広告出稿者が掲載場所を指定することはできません。一方リスティング広告は、Googleなどの検索エンジンで検索した結果を表示する画面上の広告欄に表示されます。広告出稿者が検索キーワードを指定することと、表示される画面が決まっているので、出向者側である程度表示場所を指定することになりますが、入札単価などによって表示順が異なるため、細かな指定はできません。

費用体系

課金方法に関しては、上記でご説明したとおりアフィリエイト広告は成果報酬、リスティング広告はクリック課金となりますが、実際に必要となる広告費用は次のようになります。

アフィリエイト広告

＜ASP月額費用＋［成果報酬額＋ASP手数料］＞

ASP月額費用はそのASPを利用するのに必要な固定料金です。成果報酬額はアフィリエイターなどに支払う成果報酬で、事前に条件や報酬額比率（販売額の何％など）を定めます。最後のASP手数料は、成果報酬額にかかるASPの手数料です。成果報酬に関わる費用は当然変動費となります。

リスティング広告

＜クリック単価×クリック回数＞

リスティング広告の場合は単純に入札したクリック単価と実際にクリックされた回数によって費用が決まります。複数のキーワードを出稿している場合は、もちろん各キーワード分の合計となります。

ターゲット

アフィリエイト広告の場合は、具体的にはアフィリエイターなどが広告の掲載場所を決めることになり、さまざまな層に情報を届けることが可能です。もちろんまったく対象商品などに興味のない方は、その広告にも見向きもされませんが、明確に必要性を感じてはいないけれども購入する可能性のあるいわゆる「潜在客」にアプローチできるのがアフィリエイト広告の強みでもあります。

一方リスティング広告は、広告主が対象キーワードを指定して出稿するため、すでに対象商品に興味があると思われる「顕在客」対して絞り込んでアプローチできるが特徴です。どちらが良い悪いではなく、目的によって使い分けが必要であることはご理解いただけると思います。

クリック率

一般的にリスティング広告のほうがクリック率が高く、アフィリエイト広告がクリック率が低くなります。これは、上述のとおりリスティング広告が対象商品に興味がある可能性のある方に絞って出稿しているのに対して、アフィリエイト広告はより広い層にアプローチしているためです。

まとめ

・アフィリエイト広告とは、アフィリエイターなどが作成したWebサイトなどに掲載する広告で、最終的に対象製品の購入などに至った場合に広告料金が発生する

・リスティング広告とは、検索エンジンで特定のキーワードを検索した際に表示される広告で、対象の広告がクリックされた段階で広告料金が発生する

・アフィリエイト広告とリスティング広告は、上記のような掲載場所他に、費用体系やターゲット、クリック率などが異なる

アフィリエイト広告とリスティング広告は、それぞれの違いを活かして、マーケティングやプロモーションの目的に沿った使い分けすることで、より費用対効果の高い広告運用ができるようになります。