バイラルマーケティングで自社製品を一気に世の中に広めよう!
ウィルスが広がるような様から名付けられたバイラルマーケティングは、現在のSNSを使ったマーケティングの主な手法の1つになりつつあります。今回はそのようなバイラルマーケティングの具体的な事例を見ながら、活用する上でのポイントを解説します。
バイラルマーケティングで自社製品を一気に世の中に広めよう!
ウィルスが広がるような様から名付けられたバイラルマーケティングは、現在のSNSを使ったマーケティングの主な手法の1つになりつつあります。今回はそのようなバイラルマーケティングの具体的な事例を見ながら、活用する上でのポイントを解説します。
バイラルマーケティングとは
バイラルマーケティングとは、自社の製品やサービスなどをインターネット上のユーザーが自分の知人などに推奨されるような仕掛けを作り、それによって自社製品などへの話題性や高評価を獲得。販売促進やブランディングなどに結びけるWebマーケティングの手法です。
「バイラル」の名称は、はウィルス(Virus)から採られており、ウィルスが指数関数的に短期間で爆発的に感染して広まっていく様子に喩えて名付けられました。
似たような考え方に「バズマーケティング」があります。両者の間の違いが明確に定義されているわけではありませんが、バイラルマーケティングは上記のとおり、ユーザーに推奨されることによって価値向上を図る仕組みですが、バズマーケティングは、取り上げられ方は特に限定せず、とにかくSNS上などでより多く拡散されて話題性を獲得することを目的とする手法です。従っていわゆる「炎上商法」は、バイラルマーケティングではありませんが、バズマーケティングの一種であると言えます。
また、同じように「インフルエンサーマーケティング」という手法も存在します。これもネット上での情報の伝播に着目したWebマーケティング手法ですが、こちらは著名人や影響力のあるSNSアカウントなどの影響力の大きい「人やパーソナリティ」を中心に施策を展開する方法です。
バイラルマーケティングの事例
SNSを活用したWebマーケティングが盛んな近年では、さまざまな方法でバイラルマーケティングが行われています。その一例を見てみましょう。
海外の事例
Coca-Colaの缶や瓶のロゴを、自分のオリジナルの文字に変更。パーソナライズしたオリジナルボトルをSNSへアップできるようにしたイベントです。
ミレニアム世代やティーンエージャーのパーソナライズに対する日常的な欲求、「自分らしさを表現してそれを仲間と共有したい」という欲求にマッチして、広く拡散しました。
Oreo Super Bowel Tweet
2013年、Super Bowel放送中にスタジアムで停電。34分間放送が中止するという事故が発生しました。
Oreoは元々SNSを使ったマーケティングに長けている企業。すかさず下記のようなツイートを画像付きで行いました。
”YOU CAN STILL DUNK IN THE DARK (OREO)”(暗闇でもOreoをDunkできる)
DUNKとは、Oreoを牛乳に浸して食べる、米国では人気の食べ方です。多くの視聴者が注目しているアクシデントが発生した機を逃さずツイートしたことによって短時間で多くのリツートや「いいね」を獲得したことで有名です。
国内事例
ハーゲンダッツ「フレーバー復活選挙」
「あのフレーバーをもう一度! フレーバー復活選挙」と題して、過去に存在したフレーバーの中から復活してほしいものに投票するという企画。1つのSNSアカウントから1日1回投票することができるという仕組みです。
投票数は16万票を突破。1位に投票した中から1,000名には実際に復活したフレーバーをプレゼントしました。自社のファン心理をうまく利用して話題性を呼び起こし、拡散につなげた好例といえるでしょう。
はなまるうどん「まるごとダイオウイカ天」
当時テレビで話題になっていた巨大イカ「ダイオウイカ」を天ぷらにするという、エイプリルフール企画です。時勢の話題をうまく取り入れ、分かりやすくて思わず人に話したくなるアイデアによってSNS上で広く拡散されました。通常時の24倍のアクセス数を稼ぎ出しました。
バイラルマーケティング成功のポイント
コンテンツ自体のアイデアは、上記の事例をはじめさまざまなものが考えられます。バイラルマーケティングは、多くの人に話題にしてもらったり、良い評価をしてもらうこと自社製品の販売などにつなげる手法ですので、まずできるだけ話題にしやすい、または話題になりやすいコンテンツや仕掛け、環境などを用意しておく必要があります。それでは具体的にどのような対応をしておけば良いのかを見てみましょう。
しっかりとターゲティングしてそれに適したメディアを使う
バイラルマーケティングはマーケティング手法の1つですので、誰に届けたいコンテンツなのかを最初にしっかりとターゲティングしておくことが必要です。
その設定が無ければ、いくら話題性のあるコンテンツや仕掛けを用意しても、本来求めている効果は上がりません。さらに、ターゲットによって適したチャネルやメディアを選択することも重要です。
ユーザーがシェアや埋め込みが簡単にできるようにしておく
できるだけ簡単な操作で閲覧やダウンロードができたり、SNS上でシェアできたりするようなインターフェースを実装しておきましょう。1クリックでSNSへシェアできる専用のボタンが用意されている場合も多いので、そういったものも活用しましょう。
動画や画像を用意する
動画は、年齢層を問わず視聴率が上がってきており、最もユーザーの印象に残るコンテンツ形態と言えるかもしれません。言葉で説明するよりも動画などで説明する方が情報量が多く、短時間で多くのことを伝えることが可能です。
マーケティングの目的や商品特性などにもより判断する必要がありますが、できるだけインパクトのある動画や画像を用意することで、一般的には情報がシェアされやすくスピードも早くなります。
「意外性」のあるコンテンツや仕掛けを用意する
極端に奇をてらったものは逆効果ですが、SNSなどを活用して一気に情報を拡散させるためには、「意外性」が大きなキーワードになります。「あっ!」と思うコンテンツなどは思わず知人に教えたくなるものです。自社のブランドを毀損しないように配慮した上で、センスのある意外性を持ったコンテンツなどを用意すれば効果的です。
「感動的」なコンテンツや仕掛けを用意する
「意外性」の対局にあるとも言えるのが「感動的」なコンテンツです。人々の感情に訴えかけるコンテンツなどは、「強い拡散力」を「強い説得性」を同時に持つために、最も効果的な素材だとも言えます。内容が素晴らしいものであれば、自社製品などへの好感度も上がり、自社のメッセージが受け入れられやすくなります。
コストを掛けたくなければ時間を掛ける
比較的低コストでも、効果を上げることが可能なのがバイラルマーケティングの強みでもあります。有料広告枠などを使わずに自然発生的に拡散を広げていくには一定以上の時間が必要です。一般的には1年以上の期間が必要だと言われています。
バイラルマーケティングのタイプ
「広告」であることを明示するかしないか
バイラルマーケティングを意図的に仕掛けるということは、そのコンテンツなどは一種の「企業広告」です。
しかしバイラルマーケティングにおいては、以前から企業広告であることを告知せずに、いかにも自然発生を装って展開する方法が採られるケースもありました。企業広告であることを知らせないことで、広告に対する拒否感を回避し、よりユーザーに受け入れられやすくするためにそのような方法が採られました。
しかしこの方法は、後で企業広告であることが知られれば、世間から叩かれてしまう、ハイリスク/ハイリターンな方法ということになります。
たとえばれなくても、企業広告であることを隠すこと自体が道義的に問題であるとも考えられますので、現在では初めから企業広告であることを明示しておいてバイラルマーケティングを仕掛けるケースの方が多くなってきています。
拡散報酬型のバイラルマーケティング
知人や親戚、仕事上関係者などの紹介に対して何らかの報酬を提供するという方法を採ることもできます。報酬は必ずしも金銭類である必要はなく、特別なコンテンツや情報を提供することでも成立します。このタイプは爆発的な拡散はあまり望めないものの、多少ゆっくりでも着実に広がる可能性があるというメリットがあります。
まとめ
- バイラルマーケティングとは、自社製品などをインターネット上でユーザー自身が知人に推奨するような仕組みを作り話題性などを獲得する手法
- バイラルマーケティングで成功するためには、まず通常のマーケティングと同様にターゲット設定とそれに適したメディア選定が重要
- シェアが拡散されやすいような仕組みやコンテンツを用意しておくことが効果的
- バイラルマーケティングにはそれと知らせずに展開する方法と、はじめから企業広告であることを知らせるケース、また報酬型などがあるが、それぞれメリット、デメリットを把握して選択すべき
バイラルマーケティングは現在の状況にマッチした効果的なマーケティング手法と言えますが、やり方を間違えれば、一気に自社ブランドを毀損してしまうリスクがあります。従って、思い付きなどではなく、綿密なプランを立案してから始める必要があります。