SNSはBtoBでは難しい?成果を出す企業アカウント運用のポイントとは
SNS運用は主にBtoC企業の施策と考えられてきましたが、近年ではBtoB企業によるSNS運用事例も増加中です。SNSを上手に運用すると、企業の認知度向上や、ブランディングにおける効果が期待できます。この記事では、BtoBマーケティングにおけるSNS運用の具体例や投稿のコツ、SNS運用体制づくりのポイントを解説します。

SNS運用は主にBtoC企業の施策と考えられてきましたが、近年ではBtoB企業によるSNS運用事例も増加中です。SNSを上手に運用すると、企業の認知度向上や、ブランディングにおける効果が期待できます。この記事では、BtoBマーケティングにおけるSNS運用の具体例や投稿のコツ、SNS運用体制づくりのポイントを解説します。
BtoB企業のSNS運用における戦略設計の具体例
近年ではSNS運用を取り入れるBtoB企業が増えてきました。戦略設計の具体例について、4種類のSNSごとにBtoB企業の事例をご紹介します。
<BtoB企業のSNS運用における戦略設計の具体例>
・X(旧Twitter)を活用するLINEヤフー for businessの事例
・Instagramを活用するアスクル株式会社の事例
・Youtubeを活用するSky株式会社の事例
・Linkedinを活用するSAPの事例
X(旧Twitter)を活用するLINEヤフー for Businessの事例
LINEヤフー for business(Yahoo!広告)は、Xに約1.7万人(2025年5月現在)のフォロワーを抱えています。主にマーケターに向けて、データマーケティングの最新情報や成功事例を発信中です。
特徴的なのは、発信する情報の専門性の高さでしょう。専門家によって執筆されたコラムや、マーケターがレベルアップを図れるセミナーの開催情報の発信などを通じて、フォロワーからの信頼を獲得しています
Instagramを活用するアスクル株式会社の事例
アスクル株式会社は、Instagramに約1.6万人(2025年5月現在)のフォロワーを抱えています。「はたらくすべての人に必要なモノやサービスをお届けする」をテーマに、おすすめの商品や企業の取り組みなどを発信中です。
アスクルによるSNS運用のポイントは、視覚的インパクトの高さです。画像や動画を効果的に活用することにより、ターゲットが商品をどのように活用するかを具体的にイメージさせ、コンバージョンにつなげています。
YouTubeを活用するSky株式会社の事例
Sky株式会社は、YouTubeの公式チャンネルに約5.5万人(2025年5月現在)のチャンネル登録者数を抱えています。商品や技術に関する情報など、ITをテーマにした「学び」を、映像を通じて紹介中です。
SNS運用における特徴は、幅広い層へのアプローチしていることです。例えば東大発の知識集団「QuizKnock(クイズノック)」とのコラボ動画を配信するなどの施策により、認知度向上を図りながら自社製品への関心を高めています。
Linkedinを活用するSAPの事例
ソフトウェア開発を手掛けるSAPは、Linkedinに約414万人(2025年5月現在)のフォロワーを抱えています。
業界のキーパーソンが登壇するイベントやウェビナーの情報発信を定期的に行うことがSAPによるSNS運用の特徴です。専門性の高いコンテンツを提供することにより、見込み顧客の関心を高め、リード育成につなげています。
BtoB企業のSNS運用における投稿のコツ
BtoB企業がSNS運用を行う際、投稿のコツとなるのは次の4点です。それぞれのポイントを解説します。
<BtoB企業のSNS運用における投稿のコツ>
・ターゲット層を明確にする
・専門的なコンテンツを投稿する
・視覚に訴えかける
・顧客とコミュニケーションをとる
ターゲット層を明確にする
まずはターゲット層を明確にしましょう。誰に向けて発信するのかを決定すると、ターゲット層がどのような情報に関心を持っているのかが見えてきます。
例えば、食器を高級レストランやホテルに向けて販売するとしましょう。このケースでは、ラグジュアリーな印象を与えられるプラットフォームの選定や、コンテンツの内容を考案することがポイントです。
専門的なコンテンツを投稿する
専門的なコンテンツを投稿することにより、BtoB企業としての信頼性を高められます。業界の最新トレンドや専門知識を共有したり、客観的な視点から発信したりすることを意識しましょう。例えばコンサルティングの場合、業務効率化のヒントなど、顧客が抱える課題の解決につながる情報を提供することもポイントです。
視覚に訴えかける
視覚的に魅力あるコンテンツを発信できることもSNS運用のメリットです。図解やグラフなどを積極的に活用すると、専門性が高いコンテンツの内容も伝わりやすくなるでしょう。結果的に、自社に対するイメージも向上しやすくなります。
顧客とコミュニケーションをとる
SNS運用を通じて顧客とコミュニケーションをとると、親しみやすさを演出しやすくなります。
例えばソフトバンクの孫正義氏は、Xのアカウントでフォロワーと積極的にコミュニケーションを取っています。顧客からのリクエストに対して「やりましょう!」と回答し、社内で対応を促すこともあったようです。これはどちらかといえばBtoCの施策ではありますが、BtoBに活かすことも可能な事例でしょう。
BtoB企業におけるSNS運用体制づくりのポイント
BtoB企業がSNSの運用体制づくりを行う際は、以下3つのポイントを意識しましょう。以下のポイントを意識すべき理由を解説します。
<BtoB企業におけるSNS運用体制づくりのポイント>
・目標とKPIを社内で共有する
・適切なプラットフォームを選定する
・必要に応じて外部リソースも活用する
目標とKPIを社内で共有する
なぜSNS運用をはじめるのか、どのような効果を狙うのかといった、目標とKPIを社内で共有しましょう。これらを明確化することにより、有効なコンテンツの内容や、適切なプラットフォームが見えてきます。
適切なプラットフォームを選定する
SNSの特徴はプラットフォームごとに大きく異なります。
<主なプラットフォームごとに見たSNSの特徴>
・X…速報性の高い情報発信が可能で、BtoB企業の専門性や信頼性を高められる
・Instagram…視覚的なコンテンツに強く、BtoB企業のブランディングに役立つ
・YouTube…動画に特化しており、デモンストレーションなどを発信できる
・Linkedin…ビジネスパーソンに向けた発信ができ、業界内でのネットワークが広がる
SNS運用における目標を設定し、それに合ったプラットフォームを選定することが重要なポイントです。
例えばオフィス用品を販売する場合、InstagramやYouTubeを活用すると、製品の使い方やレイアウトのコツを分かりやすく伝えられるでしょう。
必要に応じて外部リソースも活用する
コンテンツ制作会社やデザイナーなど、外部リソースの活用も検討しましょう。外部リソースを活用すると、より専門的で魅力的なコンテンツを制作できます。SNS運用により企業の知名度向上も図りたい場合は、インフルエンサーの起用も有効な手段です。
まとめ
・アスクル株式会社やSAPなど、国内外の多くのBtoB企業がSNS運用を行っている。
・BtoB企業のSNS運用では、ターゲット層を明確にしたうえで、専門的なコンテンツを配信することが投稿のコツとなる。
・SNS運用体制づくりでは、まず明確な目標設定とプラットフォームの選定を行い、外部リソースの活用も検討することがポイントである。
いかがでしょうか。今やBtoB企業においても、SNS運用は欠かせない施策のひとつです。SNSごとの特徴を把握することや、状況に応じて外部リソースも活用することが、BtoB企業におけるSNS運用のコツといえます。