近年のマーケティング施策では「インバウンドマーケティング」が注目されています。顧客の購買プロセスは変化しているため、時代に合った広告を配信することが重要です。
この記事では、インバウンドマーケティングの概要や重要性、そして有効な6つの手法を解説します。

インバウンドマーケティングとは

インバウンドマーケティングとは、顧客が自発的に商品やサービスに関心を持つように、顧客が価値を感じられるコンテンツを創出するマーケティング手法です。顧客のニーズや課題と合致するコンテンツを創出し、顧客との接点を増やしながら、商談につなげることを目指します。

インバウンド（inbound）は「外から中に入ること」を意味する言葉です。インバウンドマーケティングは、いわゆる「売り込まないマーケティング」の1つです。インターネットの普及と発展により広告の形が変わった近年では、特に重視すると良い施策といえます。

アウトバウンドマーケティングとの違い

アウトバウンドマーケティングとは、飛び込みの営業やマス広告、テレアポ、展示会といった形で行うマーケティング手法です。インバウンドマーケティングでもセミナーや展示会を行いますが、インバウンドマーケティングでは顧客の課題解決やノウハウの提供を重視し、アウトバウンドマーケティングでは自社のPRに重きを置くところが違います。

アウトバウンドマーケティングは、企業が商品やサービスを訴求したタイミングで顧客にアプローチできるところがメリットです。しかし、顧客の状況を考慮せずにアプローチするため、強引なイメージを持たれやすく、顧客に嫌悪感を抱かれるリスクがあります。

インバウンドマーケティングの重要性と施行するメリット

近年、インバウンドマーケティングの重要性が高まっている背景には、インターネットの普及と発展があります。従来のマーケティング手法はテレビやラジオ、新聞を利用したものが一般的でした。しかし、ユーザーのニーズの多様化に伴い、顧客が価値を感じられるコンテンツの提供が求められる中で、インバウンドマーケティングの重要性が向上しました。

インバウンドマーケティングの重要性を示すメリットは、主に次の3つです。

＜インバウンドマーケティングのメリット＞
● 顧客の好感度が高まる
● コンテンツが資産になる
● 顧客データを獲得できる

顧客の好感度が高まる

インバウンドマーケティングのメリットは、顧客の好感度向上につなげやすいところです。顧客が必要なタイミングを待ち、課題解決やノウハウの提供を実施するインバウンドマーケティングは、顧客にとって役立つマーケティング手法といえます。しつこさを感じられるリスクのあるアウトバウンドマーケティングと比較して、自社のファンを増やしやすいことがインバウンドマーケティングの魅力です。

コンテンツが資産になる

特にSEO対策やSNSの運用といったインバウンドマーケティングの手法は、発信したコンテンツを自社の資産にできるところがメリットです。それらの施策は半永久的にインターネット上に残り、顧客に価値を提供し続けられます。コストパフォーマンスの良さもインバウンドマーケティングのメリットといえるでしょう。

顧客データを獲得できる

インバウンドマーケティングを行うと、Web上の顧客データを獲得できます。パートナー企業のサポートを受けたり、ツールを用いて分析したりすることにより、顧客データを可視化し、ニーズの分析に役立てることも可能です。

インバウンドマーケティングで有効な6つの手法

インバウンドマーケティングで有効な手法は、主に以下の6つです。

＜インバウンドマーケティングで有効な6つの手法＞
● オウンドメディアの運営によるSEO対策
● SNSの運用
● メールマガジンの配信
● リスティング広告の出稿
● セミナーの開催
● ダウンロードコンテンツの用意

それでは、詳細を確認しましょう。

オウンドメディアの運営によるSEO対策

オウンドメディアとは、自社が保有するメディアのことです。SEO対策（検索エンジン最適化）を兼ねて、自社の商品を認知してもらう・好きになってもらう情報を発信します。顧客の悩みや課題を解決できるコンテンツを発信することにより、自社を認知していない層にアプローチすることが可能です。

SNSの運用

X（旧Twitter）やInstagramなど、SNSの運用もインバウンドマーケティングに有効です。SNSは顧客と双方向のコミュニケーションがとれるため、自社を身近に感じてもらえます。コメント機能などを利用して、顧客のニーズを把握できることもSNS運用のメリットです。

メールマガジンの配信

メルマガの発行と送信は、メールアドレスを取得した顧客に対して行う施策です。メルマガでコンテンツを完結させずに、オウンドメディアやSNSに誘導すると効果を高めやすくなります。顧客に役立つコンテンツを発信することを意識すると、顧客の好感度や購買意欲を高めやすいでしょう。

リスティング広告の出稿

リスティング広告とは、顧客の検索キーワードに連動して表示される広告です。顧客が求めている情報に対する情報を提供できるため、購買につながりやすいです。SEO対策と比較すると即効性があるため、すぐにインバウンドマーケティングを始めたい場合に適しています。

セミナーの開催

セミナーを始めとするイベントの開催もインバウンドマーケティング手法の1つです。近年ではWeb上でセミナーを開催する「ウェビナー」も定着しつつあります。イベントの様子を動画で撮影しておくと、アーカイブ配信も行えます。

ダウンロードコンテンツの用意

マニュアルや事例集といったダウンロードコンテンツも有効です。ダウンロードの条件としてメールアドレスなどの入力を求めると、顧客の情報を効率的に獲得でき、メルマガの運営などに活用できます。

インバウンドマーケティングを成功させるポイント

ここまでにご紹介したインバウンドマーケティングの手法を成功させるためには、次のポイントを意識することが重要です。

＜インバウンドマーケティングを成功させるポイント＞
● ターゲットを明確にする
● 合意形成を図る
● パートナー企業のサポートを受ける

ターゲットを明確にする

まずは集客したいターゲットを明確にしましょう。購買につながる見込みのないユーザーばかりを集客しても意味がありません。顧客になりうるユーザーを割り出し、その特徴に合ったコンテンツを制作することが大切です。

合意形成を図る

社内で合意形成を図り、インバウンドマーケティングに取り組む必要性などを共有します。施策を運用する際は、マーケティング部門と営業部門の連携をとることも重要なポイントです。

パートナー企業のサポートを受ける

コンテンツの企画や制作を行う際は、パートナー企業へのアウトソーシングも検討してみましょう。会社や顧客の特徴に合ったサポートを受けられるため、効率的にインバウンドマーケティングを進められます。

まとめ

インバウンドマーケティングとは、顧客にとって役立つコンテンツを提供するマーケティング手法です。インバウンドマーケティングを実施すると、顧客データを獲得しながら好感度を高められるほか、コンテンツを資産化できます。オウンドメディアやSNSの運用、セミナーの開催などが、インバウンドマーケティングの主な手法です。